「スループット・コンピューティング」実現まであと一歩、サン

2003/10/8

米サン・マイクロシステムズ エグゼクティブ・バイス・プレジデントのニール・ノックス氏(左)と日本法人 代表取締役社長 ダン・ミラー氏(右)

 サン・マイクロシステムズ(以下サン)は10月7日、64ビットCPU「UltraSPARC IIIi」を搭載したエントリレベルのサーバおよびワークステーションの新製品を発表した。これらの製品はサンの新たなネットワーク・コンピューティングのビジョンである「スループット・コンピューティング」の世界を具現化する可能性を秘めた第1弾製品群として位置付けられており、同社にとっては、デルやIBM、HPといった競合ベンダに「圧倒的な技術的優位と低価格性」を見せつける存在(米サン・マイクロシステムズ エグゼクティブ・バイス・プレジデントのニール・ノックス氏)であるという。

 「スループット・コンピューティング」とは何か。日本法人 プロダクト・マーケティング本部長 山本恭典氏の言葉を借りれば「マルチスレッド環境、大容量メモリとI/Oバンド幅、64ビットメモリアドレス、高度にスレッド化されたOS、CMT(チップ・マルチ・スレッディング)の設計を実現させた次世代のコンピューティング環境」である。オートIDおよびユビキタスIDのような無線チップが普及したとき、膨大な量の情報を処理するフロントエンドのコンピューティング環境は、同社の「スループット・コンピューティング」の思想を具現化した製品群でなければならない、とするのが同社の壮大なビジョンである。そして、いまのところ、「スループット・コンピューティング」に最も近い位置にいるのが、UltraSPARCであり、Solarisであるとするのが、サンの意見である。

 「時代の最先端技術を開発し、全世界のチャネル・パートナーを通じて顧客に提供する。しかし、顧客は、つねに製品を選択する自由がある」。日本法人 代表取締役社長 ダン・ミラー(Dan Miller)氏は、サンのポリシーは過去20年に渡って一度も変わっていないと述べた。そして、「サンはテクノロジ・カンパニーである」ことを強調、技術革新にまい進していくことが、サンの強みであることをあらためてアピールした。

(編集局 谷古宇浩司)

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サン・マイクロシステムズの発表資料

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