「Linuxにできることで、MacOSにできないことはない」、アップル

2003/10/11

 アップルコンピュータは10月25日に発売する「Mac OS X v10.3」および「Mac OS X v10.3 Server」(コードネーム:Panther)の機能紹介を行う記者会見を10月10日に開催した。クライアントOSである「Mac OS X v10.3」の強化面は、ユーザーインターフェイスの直感的な操作感の洗練に集中した。一方、サーバOSである「Mac OS X v10.3 Server」は、操作性の向上に加え、オープンソースベースのサーバ機能の設定や管理を行う技術の搭載に力を入れた。代表取締役社長 原田永幸氏は「OSの世界では、T-EngineやLinuxが注目を集めているが、MacOSでも紙面を賑(にぎ)わせたい。実際、Linuxにできることで、MacOSにできないことはないのだ」と4回目のメジャーバージョンアップを迎えたMacOS Xの登場に自信をみせた。

アップルコンピュータ 代表取締役社長 原田永幸氏

 「Mac OS X v10.3」の新機能は150以上あるという。その中で目を引くのは、地味な部分ながらも、最もよく使用するユーザーインターフェイスの使い勝手の向上だろう。例えば、今回導入された「Expose」は、開いているウィンドウを一覧で表示し、その中のどれでも一番上に持ってくるという作業をファンクション・キー1つで瞬時に実現する機能だ。複数のファイルやアプリケーションを同時に立ち上げながら作業しなければならない状況で、この機能はかなり有効だろう。そのほか、IPv6の統合、Kerberosの統合、NFSファイルシステムの機能強化などUNIXベースの基本性能にも磨きがかけられている。さらに、日本インプットメソッド「ことえり」のバージョンアップ版「ことえり4」の搭載は、PC上の直感的な日本語入力環境を考えるうえで、示唆に富む機能が盛り込まれている。

 「Mac OS X v10.3 Server」では、LDAPディレクトリサービスとKerberos認証サービスを提供するOpen Directory2の搭載やWindowsクライアントに対してログインおよびホームディレクトリサービスを提供するSamba3、JBossも統合した。特に、Samba3を搭載したOSは初めて(アップル)のことで、これにより、Windowsクライアントに対し、スムーズなファイル/プリントサービスを提供することが可能になる。

(編集局 谷古宇浩司)

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