J2EEアプリの不調の原因、すぐに突き止められますか?

2003/12/4

Wily Technology 製品戦略担当 上級副社長 ヴィック・ナイマン氏

 「かつてメインフレームで行っていたように、システムのモニタリングやアラートの検知、稼働レポートのチェックといった作業は、J2EEアプリケーションでも行われなくてはいけない」とWily Technology 製品戦略担当 上級副社長 ヴィック・ナイマン(Vic Nyman)氏はいう。
 
 J2EEアプリケーションが社内業務の基幹システムとして構築されるケース、あるいは、企業が展開するビジネスを支えるシステムとして採用されるケースなど、J2EEアプリケーションの存在は、ますます“止められないシステム”としての価値を高めつつある。重要性が高まるにつれ、システム全体の複雑性も加速度的に高まっている。ある致命的な問題が見つかった時、その原因がどこにあるかを突き止めるには、「常にシステム全体を監視していなくてはならないのだ」(同)。同社の調査によると、問題の解決に要する時間は現在、平均8時間だというが、この時間がどれだけビジネスに致命的なロスを生むかは想像に難くない。

 同社が開発、販売するJ2EEアプリケーション向けパフォーマンス監視ツール「Wily Introscope」はつまり、上記のようなJ2EEアプリケーションをめぐるさまざまな問題を、観察を続けることで把握し、原因を追求し、未然に防げるようにするためのツールであるといえよう。Wily Technologyは自社でもWily Introscopeを導入しており、「Wily IntroscopeをチューニングするためにWily Introscopeを活用している」(同)状態だ。もちろん、世界で最もWily Introscopeを上手に使いこなす企業がWily Technologyであることはいうまでもない。

 全世界で300社以上の導入実績を持つWily Introscopeだが、その中でも最大規模のシステムはBank of Americaで「数百のアプリケーションがつながった複雑なシステムの動きをWily Introscopeが逐一監視している」(同)。米国ではBank of Americaに代表されるように、銀行や保険、電話・通信業界での導入実績が高い。この背景には、同業界群が膨大な量のトランザクションを必要とする業種であること、IT技術がビジネスに大きな影響を及ぼす業種であること、システムのパフォーマンスの低下が規制のガイドラインに抵触した場合、ばく大な額のペナルティを課される危険性があること、などが挙げられる。

 米国と日本との市場の差異について、ナイマン氏は若干日本が米国の状況より遅れていると指摘、現在米国ではシステム(特にJ2EEだが)を監視し、問題をあらかじめ回避しようと努めつつあるフェイズにあるというが、日本はまだ問題が起こった時に逐一修正を施すというフェイズで、もう少し“成熟”すれば、システム監視の重要性を認識する企業が増えていく、と話す。現在、日本国内ではオージス総研を始めとした5社の企業で導入実績がある。

(編集局 谷古宇浩司)

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