AMD+Sunで占う64ビットコンピューティングの未来

2004/1/23

 米AMDの2003年第4四半期決算は、売上高が2002年第4四半期と比較して76%増の12億600万ドルになった。2003年に発売したエンタープライズ向けの64ビットプロセッサ「AMD Opteron」が好調。純利益は4300万ドルだった。日本AMDの代表取締役社長 堺和夫氏は「AMDは不況時にも利益が出る構造になった」と復活を宣言。「2004年は64ビットコンピューティングの年になる」として、最大のライバルであるインテルとの違いを強調した。

日本AMD 代表取締役社長 堺和夫氏(左)とサン・マイクロシステムズ 代表取締役社長 ダン・ミラー氏

 米AMDの2003年通期の売り上げは、2002年通期と比較して約30%増の35億ドル。純損失は2002年通期から5分の1に縮小し、2億7400万ドルになった。

 AMDが2003年に発売したAMD Opteronは富士通やIBMなどが搭載製品を出荷している。だが、AMDにとって最近の最も大きなニュースは2003年11月に発表したサン・マイクロシステムズとの包括的な提携だろう。サンはAMD Opteronを2/4way載せたSun Fireを2004年上半期に出荷する方針で、AMD Opteronがエンタープライズ市場に本格的に浸透するかどうかの試金石になりそうだ。サンは提携の一環としてすでにモバイルAMD Athlon XPを搭載したブレードサーバ「Sun Fire B100x」を発売済み。サン・マイクロシステムズ日本法人の代表取締役社長 ダン・ミラー(Dan Miller)氏は2月17日にサンが東京で開く「Network Computing 2004 Spring」で、「AMDとの提携で新しい製品が発表される」と述べた。

 AMDはサーバ、PC向け以外のプロセッサも強化する。AMDはナショナル・セミコンダクターのインフォメーション・アプライアンス事業を買収すると2003年8月に発表。「AMD Geode」のブランド名でハンドヘルド向けのプロセッサを開発している。日本AMD PCS(Personal Connectivity Solutions)本部長 中島裕氏はハードベンダと協力し、AMD Geode、組み込み向けプロセッサ「AMD Alchemy」を搭載したPDAやハンドヘルドPCを開発していることを明らかにした。開発中のPDAは“The Next PDA”の位置付けで、「MPEG4のビデオストリーミングに対応。いわばアップルコンピュータ『iPod』のビデオ版といえる」と説明した。

(編集局 垣内郁栄)

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日本AMDの発表資料

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