プログラマの聖域にWebデザイナを送り込むColdFusion

2004/2/20

スケッツ 営業担当 伊地知義貴氏

 Web開発者向けのカンファレンス「Macromedia MAX 2004 Japan」を2月19日に開催したマクロメディアは、新製品「Macromedia Director XM 2004」を発表、マルチメディアコンテンツ制作の機能強化を図った。

 Webサイト開発はユーザーが目にするフロントエンドと、Javaや.NETを使ったサーバサイドに線引きされる。マクロメディアが提供する製品群は主にフロントエンド開発に利用されるツールだ。Webブラウザで動画を表示するFlashやオーサリングツールのDirector、HTMLエディタのDreamweaverなどが知られているが、中でも独自の存在感を放っているのはWebサーバ製品「ColdFusion MX」と「JRUN 4」だろう。

 ColdFusion MXはApacheと同じHTTPサーバだが、独自のスクリプト言語「CFML」を使ってWebの表現力を高められるのが特徴だ。これはJavaの世界で、HTMLにJSPを埋め込んでサーブレット化する手法と同様で、CFMLで記述されたプログラムはColdFusion MXで解釈され、データベースに接続してSQL文でデータを取得するといった高度な処理を可能にする。JRUN 4はJ2EE準拠のアプリケーションサーバだ。

 ColdFusionが目指すのは、プログラミング知識のないコンテンツ開発者でも、CGI的な動的コンテンツを作成できるようにすること。PHPの構文はプログラマでなければ理解しづらいが、CFMLはHTMLライクなタグを用いるため、HTMLの知識があれば違和感なく理解できる。

 Webコンテンツ制作会社、スケッツ 営業担当 伊地知義貴氏は、講演で「ColdFusionとCFMLを使うと、PHPに比べて開発工期はおよそ半分に短縮できる。PHPは覚えやすいプログラミング言語といわれているが、CFMLはさらに容易にマスターできる。当社ではColdFusionを導入してから、プログラマ以外のスタッフもコーディングをできるようになった」とし、工数削減の効果はコンテンツの品質向上や価格競争力に寄与していると語った。

 ColdFusion導入には、オープンソースのPHPやPerlに比べて初期コストが発生するマイナス面もある。この点について、伊地知氏は「簡単なCGIで間に合う案件には、今後もPHPを使っていくだろう。ただ、規模の大きい案件や、将来的に拡張する可能性のあるWebサイトであれば、間違いなくColdFusionを選択する。工数削減や運用コストのことを考案すれば、初期コストは十分吸収できるだろう」と語った。

(編集局 上島康夫)

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