IPv6+SIPで実現するMachine to Machine通信、NTTコム

2004/3/13

NTTコミュニケーションズ 経営企画部 技術戦略担当 ブロードバンドIP事業部 IPv6プロジェクト 担当課長 山崎俊之氏

 NTTコミュニケーションズはIPv6ネットワークとSIPを組み合わせてデバイスとデバイスのPtoP通信を可能にする新通信技術「m2m-x」(開発コード)を開発し、実証実験を行っている。実験を公開したNTTコミュニケーションズ 経営企画部 技術戦略担当 ブロードバンドIP事業部 IPv6プロジェクト 担当課長 山崎俊之氏は「モノ同士のエンド・ツー・エンドのサービスが可能になり、デジタル家電や企業間の通信に利用できる」と説明。「2004年中に何らかの形でサービスの提供を開始したい」と述べた。

 m2m-xはSIPが持つ呼制御=シグナリングチャネルを使って、通信するデバイスを認証できるのが特徴。デバイスを通信させる場合は、m2m-xに対応した「m2m-xマネジメントサーバ」にネットワーク経由で接続。シグナリングチャネルをデバイスから送信し、認証を受ける。m2m-xマネジメントサーバはインターネットのDNSのような働きがあり、ネットワークに接続されたほかのデバイスの名前解決を行って、着信させるかを決定する。呼制御の機能でデバイス同士を接続した後は、m2m-xサーバを経由せずにデバイス同士が直接に通信する。実証実験ではデバイス間の通信をIPsecで暗号化している。もちろんIP電話用のネットワークとしても利用できる。

 IPネットワークとSIPを組み合わせてデバイスを認証、通信させる仕組みはIPv6でなく、IPv4でも可能だ。しかし、山崎氏は「IPv4ではNAT越えや使い勝手の問題がある」と指摘。「これらの問題を解決するにはIPv6しかない」と強調した。

 実証実験は三洋電機やソニーブロードバンドソリューション、ディアイティ、東芝、パイオニアなど計11社が参加。サービスプロバイダなどが設置するm2m-xマネジメントサーバを相互に接続し、認証する方法や、異なるベンダ、サービスプロバイダ間で製品を相互接続させる方法を確認する。PCからネットワークを経由して離れた位置にあるビデオカメラを操作する実験や、インターネットに対応した携帯電話でドアの施錠を行う実験などを行っている。

m2m-xの実証実験。携帯電話で家庭のドアを施錠できる。ドアはホームゲートウェイに接続する

 NTTコムでは、デジタル家電をm2m-xマネジメントサーバに接続しIPv6の通信をさせる場合、デジタル家電の1台1台にIPアドレスを割り当てるのではなく、デジタル家電をコントロールする役割を持つホームゲートウェイにIPアドレスを割り当てて、認証する仕組みを検討している。認証をホームゲートウェイに代行させることで、ID/パスワードを持たせる機能がないデジタル家電でもIPv6の通信ができるという。

 NTTコムはIPv6とSIPを組み合わせたm2m-xで、企業の支社間を接続するVPNのサービスも提供可能としている。「現状のVPNはサイト to サイトが原則だが、m2m-xを活用することで通信相手を特定したPC to PCのVPNを実現できる。製造業におけるCADデータのやりとりに使える」(山崎氏)という。

 実証実験は2004年9月末までの予定。その後、デジタル家電を開発するベンダやサービスプロバイダが国内で設立した「ユビキタス・オープン・プラットフォーム・フォーラム」(UOPF)に提案し、採用を呼びかける。

(編集局 垣内郁栄)

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NTTコミュニケーションズの発表資料

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