ERPはユーザー企業主導にシフトするか

2004/5/19

 インフォベックは中小企業向けERPパッケージ「GRANDIT」(グランディット)を発売した。GRANDITの開発は国内ユーザー企業7社が協力。自社製品として販売、導入などを行う。5年後に中小企業向けERPパッケージ市場の20%、300億円の獲得を目指す。

「GRANDIT」の開発参加企業担当者ら

 インフォベックの代表取締役社長 三浦進氏は、「日本の商習慣に合わない外来製ERPパッケージからユーザー企業中心にパラダイムシフトする必要がある。この事業の目的はユーザー系SIerの逆襲だ」と述べた。GRANDITの開発に参加したのはインフォベック親会社のインフォコムのほかにITエンジニアリング、ウチダユニコム、NECネクサソリューションズ、オリンパスシステムズ、ジェイアール東日本情報システム、双日システムズ、日商エレクトロニクス。協力、技術支援としてマイクロソフト、インテルも参加する。

 GRANDITはMicrosoft .NET、SQL Serverで稼働するWebベースのERP。会計、販売、調達・在庫、製造の各モジュールを5月に出荷開始し、2004年9月には人事給与、経費、資産管理システムの各モジュールを第2弾としてリリースする。ビジネス・インテリジェンス、ワークフロー管理などを標準搭載する。Webベースを採用したことで操作の容易さ、利用拠点の統合などを実現するという。Webブラウザをインターフェイスとしながらも、マウスレスの操作やファンクションキーの利用、かな漢字変換の自動制御などが可能で、「従来のクライアント/サーバシステムのERPパッケージを超える高度な操作性で、業務効率を向上させる」という。インフォベックでは流通、製造、サービスなどすべての業種の中堅企業で利用できるとしている。

 価格は100ユーザーの利用で、すべてのモジュールを導入した場合に3000万円程度。モジュールは1つ当たり200〜400万。この価格はインフォベックが競合と位置付ける住商情報システムの「ProActive」や富士通の「GLOVIA」などのほかの国産ERPパッケージと同程度というが、三浦氏は「Webベースの採用など機能はGRANDITが豊富。コストパフォーマンスは優位にある」と述べ、自信を見せた。

(編集局 垣内郁栄)

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