「シスコとの対決が鮮明に」、ジュニパーがIPv6で宣戦布告

2004/7/1

 ジュニパーネットワークスは、4月に買収したネットスクリーン・テクノロジーズ製ファイアウォール/VPNアプライアンス向けのIPv6対応OS「NetScreen Screen OS 5.0」を6月30日に発売した。ジュニパー製のコアルータはすでにIPv6に対応済み。ネットワークのエッジを担当するファイアウォール/VPNアプライアンスがIPv6に対応することで、「ユーザーからコアまでがIPv6に対応できた」とジュニパーは強調している。

ジュニパーのアジア太平洋地区エンジニアリング担当バイス・プレジデント アンドリュー・カワード氏

 Screen OS 5.0が対応するのはNetScreen-5XT、204、208、500、5200。IPv6のネットワークでファイアウォールやIPSec VPN、SSL-VPNの機能を利用できるようになる。ジュニパーのアジア太平洋地区エンジニアリング担当バイス・プレジデント アンドリュー・カワード(Andrew Coward)氏は「各社が提案しているIPv6ソリューションに不足しているセキュリティの領域を、新OSで提供する」と語った。

 ジュニパーは企業内や企業間のネットワークがすべてIPv6に統一されるには時間がかかるとみている。そのためJUNOSやScreen OS 5.0が目指しているのは「IPv6/IPv4デュアルスタック」。具体的にはIPv6パケット、またはIPv4パケットをトンネリングして相互の接続性を確保する。社内LAN上でIPv4とIPv6のホストを混在させたり、IPv4のIPSec VPNでIPv6データを暗号化するなどの使い方を提案している。

 ジュニパーの製品はキャリア、サービスプロバイダ向けのコアルータ、エッジルータが主だったが、ネットスクリーンの買収でセキュリティ分野へ進出。ジュニパーの代表取締役 大須賀雅憲氏は「シスコシステムズとの対決の構図が鮮明になってきた」と述べた。

 大須賀氏が示した資料によると、ジュニパーの旧ネットスクリーン製品は国内のセキュリティアプライアンス市場で2位のシェア(20.7%)。1位はノキアで21.2%。3位がシスコで19%だという。ジュニパーはIPv6対応の新OSを投入することで、今後の拡大が予想されるIPv6対応セキュリティアプライアンスの市場を他社に先んじて押さえることを狙う。大須賀氏は「(IPv6対応セキュリティアプライアンス市場では)ノキア、ジュニパー、シスコの順位は当てはまらない」と述べ、IPv6対応製品でシェア拡大を図る考えを強調した。

(編集局 垣内郁栄)

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ジュニパーネットワークスの発表資料

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