「Security must be NO.1!」、バルマー氏叫ぶ

2004/7/1

米マイクロソフトのCEO スティーブ・ バルマー氏

 米マイクロソフトのCEO スティーブ・ バルマー(Steve Ballmer) 氏は6月30日、NETWORLD+INTEROP 2004 TOKYOの基調講演であらためてセキュリティの重要性を声高に叫んだ。バルマー氏の叫びは、満員の基調講演会場に鳴り響く。

 「Security must be NO.1!, NO.1!!」

 身振り手振りも交えながらのこの宣言で、マイクロソフトのセキュリティに対する取り組みの真剣さをあらためて強烈にアピールした後、2004年内に登場する新製品の紹介を行った。そこで解説された新製品の機能ももちろん、セキュリティに深くかかわるものである。同社会長ビル・ゲイツ(Bill Gates)氏のプレゼンテーションを始め、マイクロソフトのボードメンバーが大舞台で講演を行うときにセキュリティの話題が出ないことはない。

 2004年にマイクロソフトがリリースを予定している製品には、「Windows XP Service Pack2」や「ISA(Internet Security&Acceleration) Server 2004」「Windows Server 2003 Service Pack1」、「Windows Server 2003」用のアクセス管理ツール「Windows Rights Management Services(RMS) Service Pack1」などがある。

 今回の基調講演でバルマー氏が最初に紹介したのは、「Windows XP Service Pack2(以下XP SP2)」における新機能だ。「XP SP2」では、コントロールパネルを開けると、セキュリティセンターという新しい管理コンソールが画面上に表示される。ここでは「ファイアウォール」「自動更新」「ウイルス対策」の3つのセキュリティポイントを管理することができる。設定内容も詳細になり、従来ファイアウォールの機能に関しては「有効/無効」の2項目の選択しかできなかったが、SP2では14項目(「ネットワーク接続をすべて保持する」など)の設定が可能となった。ウイルス対策でも、ウイルス対策ソフトがインストールされていなかったり(あるいはASPサービスを利用していなかったり)、定義ファイルを更新していない状態になっている場合などには、セキュリティセンターから警告が発信される。そのほか、ポップアップ広告ブロック管理機能や電子メールにおけるHTMLメールの画像ブロック機能など、多岐にわたる改良点を追加した。

 「ISA(Internet Security&Acceleration) Server 2004」の搭載される新機能も、セキュリティ対策を重視したものだ。特に、「ファイアウォールの設定」や「VPNクライアントのアクセス制御」など、社外からの社内ネットワークへのアクセスニーズの拡大を考慮した機能を豊富に追加している。セキュリティポリシーの設定は、マイクロソフトが得意とするグラフィカルなインターフェイスで、ドラッグ&ドロップで必要なコンポーネントをはめ込んでいくだけで作成することができる。

 マイクロソフトのこのようなセキュリティに対する取り組みは、最近のミッション・クリティカル分野への果敢な挑戦からもわかるように、事業戦略上の最優先課題であることはいうまでもない。2003年3月18日に米国で発表したDSI(Dynamic Systems Initiative)という同社の情報システム管理の新戦略がうまく機能するためには、セキュリティ対策が必要不可欠であり、強固なセキュリティ基盤を持つ製品群を有するという“イメージ”も必要になってくる。

(編集局 谷古宇浩司)

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NETWORLD+INTEROP 2004 TOKYO
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