SOA:J2EEと.NETの互換性は本当に可能なのか?

2004/7/6

ガートナー ジャパン ジャパンリサーチセンター リサーチディレクター 飯島公彦氏

 いまなぜSOAなのか。そもそもSOAは本当に必要なのか。
 
 HP WORLD Tokyo 2004で開催されたパネルディスカッション「ビジネスとITの革新をねらう:J2EEか.NETか 〜BEAシステムとマイクロソフトのエバンジェリストがこれからのITを熱く語る〜」で、ガートナー ジャパン ジャパンリサーチセンター リサーチディレクター 飯島公彦氏は、日本BEAとマイクロソフトという2大オープンプラットフォームの代表的な企業のエバンジェリストとともに、SOAの本質と適用の考え方を議論しながら、ITシステムが抱えるさまざまな問題点を浮き彫りにした。

 パネルディスカッションの冒頭で飯島氏は、ITを取り巻くさまざまな状況の変化を指摘、「ビジネスは絶えざる進化のための『変化』を求めている。ビジネス要件の変化に柔軟に対応できるITシステムを考えたとき、現在は分散して存在している複数の業務プロセスを連携することを前提としたシステムづくりが必要」と話した。

 ガートナーではこのような“つなぐ”ことを前提とした「整合性のある複数テクノロジ」をApplication Platform Suite(APS)というコンセプトで解説している。APSとは、ポータル製品(ユーザーインタラクション)、インテグレーション・ブローカ(アプリケーション統合)、アプリケーション・サーバ(トランザクション処理)といった、いわゆる標準技術に基づいて構築されたIT基盤を指す。そして、APSを前提としたITシステムの構築段階において、「移植性よりも(プラットフォーム間の)相互運用性に重点を置いた」のが、Service Oriented Architecture(SOA)である。

 J2EEプラットフォームの代表企業であるBEAと、.NET環境の推進者であるマイクロソフトは、APSやSOAの必然性については賛同を表明した。しかし、複数の企業が仕様策定に取り組むJ2EEとマイクロソフト1社の.NETでは、アプローチの方法に違いが出てくるのは当然である。そこで問題となるのが、SOAの理念ともいえるプラットフォームの違いを超えた相互運用性の実現は可能かどうか、という議論である。J2EEはもちろんだが、「マイクロソフトの.NET環境も標準に準拠した技術であることに変わりはない」(マイクロソフト デベロッパーマーケティング本部 デベロッパー製品部 シニアプロダクトマネージャ 磯貝直之氏)。

 「相互運用性は不完全である」と飯島氏が指摘するように、実際にはなかなかうまくはいかない。この点に関し、日本BEAシステムズ チーフテクニカルストラテジスト 伊藤敬氏は、SOAのポイントを「ビジネスプロセスとサービスの組み合わせ」にあるとし、この層を標準化することができれば、プラットフォームの違いを超えたSOA的なITシステムの構築が可能になると話す。J2EEと.NETの互換性を実現するための切り札が「BPEL(Business Process Execution Language for Web Services)」というXMLベースの規格である。

 飯島氏は「相互運用性を得るためのアプリケーション設計にはSOAが最適。オープンシステムでも基幹系の知見をユーザーが構築すべき時代が到来した」とし、それを実現させるためには、SOAの視点からみたITシステムの構築ノウハウを蓄積していかなければならないと話す。

(編集局 谷古宇浩司)

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