モバイル端末向けにコンテンツを自動変換する、IBM

2004/7/14

日本IBM ソフトウェア事業 パーベイシブ営業部部長 中垣勝博氏

 通信事業者やサービス・プロバイダ(ISP)のサービスがPCだけを前提にしていた時代は終わった。携帯情報端末や携帯電話といったPCとは異なる特性(ストレージ、画面サイズなど)を持つ新しいクラスの端末をも視野に入れなければならない時代に突入したのである。しかし、これまで蓄積してきたコンテンツ資産やサービスを支え続けてきたシステムを簡単に捨て去ることはできない。日本IBMが7月13日に発表した、モバイル端末用コンテンツ変換ソフトウェア「WebSphere Everyplace Mobile Portal V5」(WEMP)はこのような課題に対するIBMなりの回答である。

 同社は2004年5月、Web アプリケーションと既存のデータを将来の「パーベイシブ・アプリケーション」(日本IBM ソフトウェア事業 パーベイシブ営業部部長 中垣勝博氏)に接続して適応させ、管理、変換、規模の変更を行うのに必要なミドルウェア・インフラストラクチャ全体を統合する製品ファミリー「WebSphere Everyplace Service Delivery V5」(WESD)を発表していた。WEMPはWESDを構成する製品群の中核という位置付けで以下のような機能を有する。

XML-based Device Independent Markup Extensions
(XDIME:デバイス独立型マークアップ言語)のサポート
モバイル・デバイス特性が含まれているデータベースへのアクセス
アプリケーション開発のためのツール・サポート
(マークアップ/レイアウト・エディタ、サンプル、API、ドキュメンテーション)
迅速なサイト開発およびスタイル・ガイドラインの実施のためのテンプレート
既存のマークアップの変換のために、新規XHTMLデバイスおよび将来のXHTMLデバイスにXSLTを組み込む

 同製品のオプションツール「WebSphere Everyplace Mobile Device Update」を利用することで、将来登場するであろう新機種のモバイル端末への対応をサポートすることができる。

 このソフトウェアを使用するために前提となるハードウェアは、ISPなどで使用率が高い「pSeries with AIX Version V5.1(AIX V5.1 PTF全レベルがインストール済み)」「pSeries with AIX Version V5.2(AIX V5.2 PTF全レベルがインストール済み)」「Sun(Sun Solaris 2.8もしくは2.9がインストールされている)」などのUNIX機である。
 
 なお、同ソフトウェアには、「WML1.1、1.2、および1.3」「XHTML Basic1.0」「XHTML Mobile Profile1.0」「HTML3.2および4.01」「HDML」などのプロトコルをサポートする端末に対するサポートが組み込まれている。

 利用価格は1サーバあたり2325万7500円。WebSphere Everyplace Mobile Device Updateは36万7500円から。

(編集局 谷古宇浩司)

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