デスクトップPC:「動かさない環境」での使いやすさを考える

2004/8/27

工具類を一切使わずに分解可能

 日本IBMは8月26日、現行モデルと比較して約30%小型化した、“IBM史上最小”のデスクトップPC「ThinkCentre S50 ultra small」を発表した。IBMダイレクト価格は11万3400円(税込み)。「ワークスタイルの変化に合わせて、デスクトップPCのデザインや機能も変化しなければならない」と日本IBM PC&プリンティング事業 向井宏之氏がいうように、今回発表した新製品は、コンパクトな筐体デザインだけではなく、オフィスの利用環境を考慮したさまざまな工夫が凝らされている。

 例えば、ThinkPadを開発するうえで培ったクーリングシステムをデザインに生かしている点。筐体を小さくすればするほど、CPUが発する熱をいかに冷やすか、熱気をどう処理するか、を考えなければならない。「ThinkCentre S50 ultra small」では、吸気と排気の専用ファンを装備し、発熱量の多いパーツを直線的に配置することで、熱気の通路(エアフロー)を確保した。部品の高さを均等化するという細かい配慮は、エアフローを乱さないための工夫である。PC後部から排出される熱気が対面する人に直接当たらないよう、上方排気するガイドを取り付けている。また、静音性の実現にはファンレス・スリット型のCPUヒートシンクを設置した。

 筐体の幅はテニスボール4個分で、A4サイズのThinkPadよりも設置面積が小さい。メンテナンスや部品の拡張作業を行いやすくするために、工具類を一切使わずに分解可能な機構を採用した。そのほか、セキュリティ・チップでパスワードやデータを保護することが可能であり、Kensingtonのマイクロセーバー・セキュリティ・ケーブルを活用することで、物理的な盗難を防ぐ。ThinkPadで採用している拡張ベイ規格「ウルトラベイ エンハンスド・ドライブ」を搭載し、対応ドライブの共有化も実現している。

 「動かす環境」としてのノートPCのニーズが拡大しているビジネスシーンで、あえて「動かさない環境」としてのデスクトップの価値をIBMは考えようとしている。ノートPCがワイヤレス環境のなかでの機動性を重視した機能を追及していくのに対し、デスクトップPCは、「操作性、(物理的な)セキュリティの集中管理、グリッドコンピューティングといったニーズに対応するデザイン、機能が求められるようになる」(向井氏)という。IDC JapanによるとビジネスPC全体の販売台数の50%以上をデスクトップPCが占めている(Japan PC Quarterly Model Analysis,Q1 2004)。

(編集局 谷古宇浩司)

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日本IBMの発表資料

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