携帯電話のバグを無線で修正、ビットフォン

2004/10/13

 米ビットフォンの日本法人、ビットフォンは10月12日、携帯電話の不具合をリモートで検知し、修正できる新製品の国内販売を始めると発表した。高機能化が進んだ携帯電話は、ファームウェアやアプリケーションのバグによる不具合が頻出。リコールや店頭での修理、コールセンターの運営などで携帯電話キャリアのコストが増大している。

米ビットフォンの会長兼CEO ジーン・ワン氏

 ビットフォンの会長兼CEO ジーン・ワン(Gene Wang)氏は携帯電話の機能が複雑化したことで「バグのない携帯電話の開発は不可能となっている」と指摘した。バグが頻出することで新規端末の開発に悪影響が出たり、サポートのコールセンターの運営費用が増大、セキュリティのリスクなどが高まっているとという。ワン氏によると不具合が出た携帯電話は58%が交換され、携帯電話キャリアやベンダの収益を圧迫しているという。バグによる収益低減やブランドイメージの低下、加入者減などによるコストは世界の携帯電話業界全体で年間80億ドルに上るとの試算も公開した。

 ビットフォンの新製品は携帯電話の不具合を遠隔から発見できる「SmartCare」、バグを修復する「mProve 4.0」、新規機能を追加する「MVP」の3製品。単独、または3製品を連携させて利用できる。

 SmartCareは携帯電話キャリアのコールセンターから特定の携帯電話の不具合を見つけ出すことができる。携帯電話のユーザーは調査をしている間、メニュー操作などを行う必要がなく、迅速に問題解決ができるという。携帯電話側にはSmartCareのエージェントソフトをあらかじめ組み込んでおく。mProve 4.0はSmartCareで発見した問題点を修復する製品。「Over-the-Air」(OTA)に対応するのが特徴で、遠隔地からデータ通信のネットワークを使って携帯電話のファームウェアやアプリケーションをアップデートさせることができる。携帯電話用OSとして普及し始めているシンビアンOSやLinuxのアップデートもできるようにした。

 MVPは携帯電話キャリアが、ユーザーの属性を絞り込み、特定のユーザーの携帯電話だけに新機能を追加できる製品。エージェントソフトを使ってユーザーの携帯電話の使用状況を確認して、ユーザーを絞り込むこともできる。新機能の追加はOTAで可能。音楽のダウンロード購入が多いユーザーを特定して、新しい音楽プレーヤーを携帯電話に追加するなどの使い方ができる。ビットフォン製品と携帯電話間の通信は電子署名とSSL通信でセキュリティを確保するという。

 mProveはすでにNTTドコモがソニーエリクソン製携帯電話「SO505iS」「SO506iC」で採用している。無線で携帯電話のバグを修正するソフトはほかに米InnoPathが開発していて、KDDIやNEC、パナソニック・モバイル・コミュニケーションズなどが顧客となっている。ワン氏はビットフォント、InnoPathの違いについて「ビットフォンは業界標準をベースにしているが、InnoPathはプロプライエタリ」と指摘したうえで、「標準をベースにしていないと各携帯電話ベンダがバラバラの規格を導入し、キャリアのコスト増を招く。キャリアは標準化を望んでいる」と述べ、業界標準に沿って開発を進めているビットフォンの優位性を強調した。

 ビットフォンはアジアパシフィック地域担当副社長として、InnoPathの前アジアパシフィック地域セールス担当副社長だったフランク・フー(Frank Fu)氏をスカウト。ワン氏はフー氏について「ワールドクラスの人物を採用できた」と、アジア地域での市場拡大に期待を寄せている。

(編集局 垣内郁栄)

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