ほかより5〜10倍早いスピードで開発可能な統合ツール

2004/10/15

 インターシステムズジャパンは10月14日、システム統合プラットフォーム「Ensemble」を販売開始したと発表した。すでに日本通運などにパイロットプロジェクトとして納入しており、今後Ensemble向けのパートナーを募集。コンサルティングやSIベンダを中心に販売していく。

 Ensembleは、インテグレーションサーバ、アプリケーションサーバ、オブジェクトデータベース、開発・管理環境を統合したソフトウェア・プラットフォーム。単一アーキテクチャで構成されているため、迅速な開発や既存システムとの統合が可能だとしている。米国などでは2003年11月より販売開始されており、今回は日本語対応版の発売となる。

 具体的には、ビジネス・アクティビティ・モニタリング(BAM)機能を中心として、インテグレーションサーバやデータベースを連結。外部アプリケーションやWeb、SOAP、Javaとの連携も実現している。インターシステムズジャパン 代表取締役社長 坂寄嗣俊氏によると、「すでにパイロット版を導入している日本通運では、高い互換性を利用してたった3カ月で第1フェイズの開発および実装を終了した。インテグレーションに必要なすべての開発環境を単一プラットフォーム上でそろえているため、ほかのツールを利用するよりも5〜10倍早い速度で開発可能だろう」と語り、自信を見せた。

 また、ビジネスプロセスやEnsembleの各種機能操作もWebブラウザ上から分かりやすく管理できる。特にビジネスプロセスは、画面上でアイコンをグラフィカルに組み合わせることで定義でき、定義内容はBPELと呼ばれるWebサービス標準の上位セットとしてXML文書形式で保存できる。デモでは、「注文→CRMに通知→在庫確認→特定購入者の場合は割引実施→発送」といった一連の流れをWebブラウザ上で設定し、実演した。これは、各サーバがそれぞれ個別にDBと連携しているために実現した機能だという。

 坂寄氏はEnsembleについて、「当社は以前よりDBを中心に開発しており、主力製品はDB製品『Cache』だ。しかし、Ensembleは『DB屋が作ったEAI製品ではない』ので、注意していただきたい。DBと連携できる統合プラットフォーム以上の開発環境を提供できると考えている」とまとめた。

(編集局 大津心)

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