BREW3.1対応ケータイ向けGUI開発支援ツール、日立ソフト

2004/11/17

日立ソフトウェアエンジニアリング 第2開発本部 第1設計部 主任技師 澤幡知晴氏

 日立ソフトウェアエンジニアリング(日立ソフト)は11月16日、BREW3.1に対応した携帯電話向けGUI開発支援ツール「anyWarp for BREW」を11月17日にリリースすると発表した。BREW3.1に対応した開発支援ツールは世界初。同ツールの動作は、クアルコムが提供するQualcomm BREW UI Toolkit Extension、BREW3.0/3.1 SDKが前提となる。

 (BREWを採用している)KDDIは携帯電話向け組み込みソフトウェアの全BREW化を視野に入れながら、BREWを活用した法人向けソリューションの開発に積極的な姿勢を示している。また、10月にはクアルコムがドコモ端末にもBREWを搭載する可能性を示唆した。これは、CDMA2000端末に提供されていたQualcommチップが、W-CDMA端末にも提供されることを意味する。すると、Qualcommチップが実装されたW-CDMA端末を開発するメーカーは、ネイティブ・アプリケーションをBREWベースで開発する必要も出てくる。結果的に、BREWベースの組み込みアプリケーション開発の需要は増大するという市場の可能性がうかがえる。

 anyWarp for BREWはビジュアルな開発環境において、画面遷移仕様からソースコードを出力するVisual Screen Flow(VSF)プログラミング手法を採用したGUI開発支援ツールである。VSFとは日立ソフトと米ミネソタ大学の共同研究で開発したGUIプログラムのためのプログラミング手法のこと。通信レイヤの動作しない画面遷移図(Screen Flow)を作成することで、顧客の要求仕様を短期間に取り入れ、変更要求に迅速に対応できるようになる。従来、携帯電話用アプリケーション開発の現場では、数百ページにもおよぶ紙の画面遷移仕様書を作成していたことから、同ツールを活用することで、開発工程の大幅な削減を実現できる。

 BREW UI ToolkitにanyWarp for BREWを連携させると、コンテナやウィジェット(ボタンなどの表示部品)をドラッグ&ドロップ操作で配置するといった直感的なフォーム編集が可能になるほか、ウィジェットごとのプロパティ・シートを表示し、リソース(他国語をサポート)の編集も可能。また、画面遷移情報を定義・編集し、画面遷移を反映したフォームのソースコードを自動生成できる。

 日立ソフトではanyWarp for BREWのリリースを通じて、技術コンサルテーションの提供や組み込み型アプリケーションの開発といった事業の活性化につなげたい考えだ。初年度5億円の売り上げを目指す。

(編集局 谷古宇浩司)

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日立ソフトウェアエンジニアリングの発表資料

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