W−CDMA/GSMのデュアル携帯を開発、NECとNECエレ

2004/11/23

 NECとNECエレクトロニクスは協業し、第3世代携帯電話の規格であるW-CDMAとGSM/GPRS/EDGEなど欧米の第2世代規格の両方が利用できるデュアル携帯電話用LSIを開発すると11月22日に発表した。両社はこれまで第3世代携帯電話の開発でも協力してきたが、さらに関係を深めることで高品質なデュアル携帯電話を低コスト、迅速に開発し、国内、海外市場に投入する。

協業を発表したNECの執行役員 大谷進氏(左)とNECエレクトロニクスの副社長 橋本浩一氏

 NECの執行役員 大谷進氏は協業について「NECは3G技術の進化に対応した高機能端末をいち早く開発することが可能になる。NECエレクトロニクスは開発成果を外部の携帯端末メーカーに販売し、業界標準を目指す」と説明した。

 両社が開発するのは携帯電話のデジタルベースバンドと呼ばれるLSI。NECエレクトロニクスがLSIシステムの設計・開発や製造を行う。NECはLSI仕様の策定やLSI完成後の装置評価を担当する。新しく開発するLSIはW-CDMAとGSM/GPRS/EDGEに対応させる。W-CDMAの高速データ通信仕様で3.5世代ともいわれる「HSDPA」(High Speed Downlink Packet Access)も利用できるようにする見通し。両社は新開発したLSIを搭載した携帯電話を2006年度下期に市場に出したいとしている。新開発するLSIは主に国内、海外向けのハイエンド、ミッドレンジの携帯電話に搭載する。

 両社は新開発LSIを搭載した携帯電話の海外展開を狙っている。NECエレクトロニクスの副社長 橋本浩一氏は「2006年には80%が国内向け、20%が海外向けと考えている」と述べた。海外の携帯電話市場はGSM、GPRSの第2世代が主流で、これまでNEC、NECエレクトロニクスとも存在感を示すことはできていなかった。両社は欧米で第3世代携帯電話への移行が本格的に進むと判断し、デュアル携帯電話を投入する。橋本氏は「協業のゴールは国内だけの内弁慶からデュアル携帯電話で世界に打って出ること」と強調した。NECエレクトロニクスは新開発LSIをNEC以外のベンダに販売することも計画している。橋本氏は「70%がNEC、30%が外販になる」としている。

(編集局 垣内郁栄)

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