データ改ざんが不可能な最新磁気テープ規格「Ultrium3」

2004/12/17

 日本ヒューレット・パッカードは、磁気テープの最新規格「Ultrium3」に対応したテーブドライブ「HP StorageWorks Ultrium 960 テープドライブ」の発売を開始した。一度記録したデータの上書きや削除ができない「WORMメディア(Write-Once Read-Manyメディア)」に対応し、電子文書が変更されないことを保証する状態でデータの保存が可能。「電子文書を法規制に従って厳密に保存するニーズにも対応する」(ストレージ・ワークス製品本部 プロダクトマーケティング部 松岡眞次氏)という。

 Ultriumは、ヒューレット・パッカード、IBM、米Certance(旧シーゲート)が共同でリードしている規格。高速大容量の磁気テープ規格であるLTO(Liner Tape-Open)に基づいており、現在多く使われているSDLT(スーパーDLT)規格よりもさらにハイエンドな利用形態をターゲットとする。Ultriumの第3世代に当たるUltrium3からWORMメディアをサポートし、2:1圧縮時の容量が800GB、転送速度160MBを実現する。

日本ヒューレット・パッカード株式会社
ストレージワークス製品本部
プロダクトマーケティング部
松岡眞次氏

 発売が開始されたUltrium 960は、この容量と転送速度の仕様の上限を実現するハイエンドモデル。また、データ記録時に、データ転送速度に合わせてテープの速度を可変する機能を備えたため、データが途切れたときに一度テープを止めて、リワインドして位置合わせをして記録を再開する、といった余計な動作がなくなり、従来より高速なデータ保存が可能になった。

 ヒューレット・パッカードによると、テープバックアップ市場では、まだサーバに搭載されたストレージ(いわゆるDAS)のシェアは高いが、SAN(ストレージ・エリア・ネットワーク)の市場は着実に成長しているという。SANのようなハイエンド市場への対応では、複数のテープを自動的に出し入れするライブラリ機能がテープドライブとともに欠かせないが、ライブラリのサポートは2005年に行われる予定だという。

(編集局 新野淳一)

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日本ヒューレット・パッカードの発表資料

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