IPAの合意でマレーシア人技術者が急増する?

2005/1/6

 情報処理推進機構(IPA)の情報処理技術者試験センター(JITEC)は、マレーシアのMETEOR(Multimedia Technology Enhancement Operations)と情報処理技術者試験の相互認証で合意したと1月5日に発表した。マレーシアと日本の情報処理技術者試験が同じレベルと認める内容で、日本企業がマレーシアの技術者を受け入れる場合の能力評価が簡単になるとしている。

 相互認証によって、マレーシアの情報処理技術者試験に合格した技術者は、日本の情報処理技術者試験でも同レベルの知識があると判断される。マレーシアの試験合格者が日本で働く場合、就労ビザの取得要件が緩和されるなどの優遇装置があり、マレーシア人技術者の日本進出が進む可能性がある。マレーシアに進出した日本企業が現地で技術者を雇用する際の評価基準としても試験が利用できる。

合意の協定書に調印するIPA 理事長の藤原武平太氏(右)とMETEORグループ CEOのアヌワール・アリ氏

 相互認証したのは情報処理技術者試験のうちの「基本情報技術者」の区分。METEORはマレーシアの11の国立大学が合弁で設立した株式会社で、システム構築や投資、コンサルティング、人材育成などを行っているという。

 合意の調印式に出席したマレーシア高等教育省教育局 局長のハッサン・サイド(Hassan Said)氏はマレーシアの技術者について「セキュリティやネットワーク、Javaなどで実践的な技術を持つエンジニアが不足している」と説明し、JITECとの協力に期待を示した。IPAの理事長 藤原武平太氏は「マレーシアとの合意を大変ありがたく思う。マレーシアの情報処理技術者試験が成功し、拡大することに対する支援は惜しまない」と述べた。

 日本は2001年10月からアジア各国のIT人材の育成を支援する「アジアITスキル標準共通化イニシアティブ」を進めてきた。これまで中国、韓国、インド、台湾、フィリピン、ミャンマー、タイ、ベトナム、シンガポールの9カ国・地域との間で情報処理技術者試験の相互認証を行ってきた。マレーシアは10カ国目の締結国となる。

 相互認証では、相手国がすでに国家試験を実施している場合は、その試験を認証する。国家試験を行っていない場合は、JITECが相手国にスキル標準や試験問題を提供し、相手国の組織と協力して試験を実施する。マレーシアは日本の情報処理技術者試験に相応する国家試験がまだないため、JITECが協力して試験を策定、実施する。JITECでは2005年10月ごろにマレーシアで試験を実施したいとしている。JITECが協力して試験を行っている国には、ほかにフィリピン、ベトナム、ミャンマーがある。

(編集局 垣内郁栄)

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