“人の評価”“信憑性の高い情報”で飲食店を検索、gooラボ

2005/1/29

NTTレゾナント ポータル事業本部 技術マーケティング部 担当部長 小澤英昭氏

 NTTレゾナントと東京大学生産技術研究所(東大生研)は1月28日、gooの公開実験用サイト「gooラボ」で、新しいコンセプトによる飲食店情報検索サービスの実証実験を開始した。実験名は「店舗情報検索エージェント実験(グルメ版)」。東大生研が研究するウェブマイニング技術をgooグルメで提供している6万件の飲食店情報サービスに組み込んだ。

 現在よく使われているサーチエンジンは、検索キーワードを打ち込み、ヒットしたWebページを何らかの基準(例えば閲覧数の多さなど)で順位をつけて提示する。この場合、質問(あるいは検索キーワード)が簡潔で、それに答えるWebページが存在している場合には有効だが、「キーワードの選択が難しい」「文書が一覧として返され、結果が多すぎて読みきれない」などの難点もある。

 今回、NTTレゾナントと東大生研が行う実験で使用する検索技術は、1つの文書(やWebページ)だけでは答えられない質問に答えるために複数の情報を参照してそれらをまとめ上げ、一括して提示することが可能となる。

 例えば、「店舗情報検索エージェント実験(グルメ版)」トップページで、キーワード「豆腐」、住所/駅名「銀座」と入力してみる。すると、その条件に合った飲食店がリストアップされる。一見、通常の飲食店検索サービスと同様だが、これらの検索結果には、星1つから5つまでの「有名度」評価と店舗の概要が表示される。このようなインターネット上の評価は、任意の店舗について“記述・説明があるWebページの数が多い”“該当店舗に関する情報量が多い”などの客観的な事実を基に、goo独自の評価基準(情報量、住所、電話番号など店舗の基本情報の記載、重要なキーワード数など)を付与することではじき出す。

 検索結果の中の店舗をクリックすると、店舗情報を記載するさまざまなWebページ(個人のブログによる店舗評価など)のリンクをリストアップし、さらに、該当店舗のみ頻出する単語を「その店舗を特徴づけるキーワード」とし、「注目ワード」としてライトメニューのレポート結果画面に表示する。ためしに有名度5点満点と評価される銀座5丁目の「竹の庵」をクリックすると、28件のレポート結果が表示された。残念ながら、ここで表示されたレポートはいずれも「Yahoo!グルメ」や「ぐるなび」に掲載された店舗情報のみで、当該店舗を訪れた個人の感想を記したWebページはなかった。

 東大生研が開発した検索技術の目指すところは、膨大なWorldWideWebに存在する「ウワサ」を収集し、検索結果の信憑(しんぴょう)性を高める支援をすることにある。東京大学 生産技術研究所 戦略情報融合国際研究センター助手 博士(工学)の相良毅氏はこのような検索技術の応用範囲について、数年後にはさらに幅広い分野に適用されるようになるだろう。自分が罹(かか)った病気をすぐさま検索するなどの用途も想定できる」とコメントした。

(@IT 谷古宇浩司)

[関連リンク]
店舗情報検索エージェント実験 グルメ版
東大大学生産技術研究所

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