ASP型アンチウイルスで中堅企業を開拓、マカフィー

2005/2/2

 マカフィーはASP型のアンチウイルス製品「Managed VirusScan」と、同社製「VirusScan Enterprise」上で動作するスパイウェア対策製品「Anti-Spyware Enterprise Edition Module」を2月1日に発表した。マカフィーの取締役 営業統括本部長 田中辰夫氏は、2005年度の方針として中堅・中小企業向けの製品展開を推進することを説明し、「専任のセキュリティ管理者がいなくても利用できるASP型のManaged VirusScanと、McAfee on-lineの浸透に力を入れる」と述べた。

マカフィーの取締役 営業統括本部長 田中辰夫氏

 Managed VirusScanはマカフィーが従来販売してきた「VirusScan ASaP」の後継製品。Managed VirusScanはVirusScan ASaPと比較してポリシー管理など運用管理の機能を向上させた。スケジュールスキャンなどの個別設定をクライアントPCごと、グループごとに適用できるようにした。

 また、急速に感染を広げる新種のコンピュータ・ウイルスに対応するため、1時間以内にLAN内のクライアントPCの定義ファイルをアップデートする新機能「Outbreak Response」を搭載した。Managed VirusScanの定義ファイルのアップデートは通常は4〜24時間ごとの設定だが、Outbreak ResponseではLAN内の1台のPCにのみ、1時間ごとにアップデートさせる。新種のウイルスが発生した際にはこの1台が最新の定義ファイルを入手し、LAN内の別のPCに定義ファイルを提供する。

 Managed VirusScanはほかにバッファオーバーフローやスパイウェアをブロックする機能を搭載。価格はVirusScan ASaPと同額で、1〜25ノードで利用する場合、1台当たりの年間サブスクリプション価格は8640円となっている。3月中旬に出荷する。VirusScan ASaPは無償でManaged VirusScanにアップグレードできる。

 Anti-Spyware Enterprise Edition Moduleはスパイウェア検知機能として「On-Access Scan」と「On-Demand Scan」の2種がある。スパイウェアだけでなく、アドウェア、キーロガー、パスワードクラッカー、リモートコントロールプログラムなどの不審プログラムを検知する。

 On-Access Scanは不審なプログラムがインストールされるのをブロックする機能。メモリ上に常駐する不審なプログラムを除去することもできる。On-Demand Scanは不審なプログラムをスキャンし、削除する。怪しいプログラムに関するレジストリキーやレジストリ値を検出し、削除したり、不審なクッキーを削除する機能もある。マカフィーの「ePolicy Orchestrator」で統合管理できる。

 Anti-Spyware Enterprise Edition Moduleは3月上旬に出荷する。予定価格は、1〜25ノードの場合で1台当たり1年間1980円。

(@IT 垣内郁栄)

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