ブログはPCのように企業に浸透する、シックスアパート

2005/2/4

米シックス・アパート CEOのバラック・バーコウィッツ氏

 ブログ構築ツールとしてよく知られた「Movable Type」と、そのオンラインサービスである「TypePad」などを提供するシックス・アパート。日本では2004年に個人ユーザーにおいてブログのブームに火がついたが、2005年は「企業から、『ブログをこう使いたい』という相談を受けるようになった」(同社代表取締役 関信浩氏)と、企業への浸透が進行するという見方を示した。

 シックス・アパートの創業者であるミナ・トロット(Mena Trott)氏とベン・トロット(Ben Trott)氏、そして同社CEOのバラック・バーコウィッツ(Barak Berkowitz)氏が来日し、ブログの今後の方向性や同社の戦略などをプレス向けに語った。

 ソフトウェア製品としてシックス・アパートが提供するMovable Typeの機能はシンプルで、かつPerlで書かれているため誰でもソースコードを参照できる。一方で、オープンソースの世界ではLinuxやOpenOfficeのように非常に高度な機能を提供するソフトウェアまでも無料で提供されていることから考えると、Movable Typeレベルの機能を提供するオープンソースのソフトウェアがいつ登場してきてもおかしくない。あるいはすでにWikiのような類似のオープンソースソフトウェアは存在している。

 同社は、このような類似のオープンソースが容易に参入しやすい状況にどう対応しようとしているのだろうか。CEOのバーコウィッツ氏は「オープンソースのトレンドはわれわれも歓迎するものだし、実際に支援もしてきた」と前置きしたうえで、「テクノロジの成熟度はMovable Typeのほうが優れており、またわれわれのユーザーサポートの品質は非常に高いと自負している」とした。「いくつかの企業は、オープンソースとMovable Typeを比較したうえで、われわれのサポートが受けられるMovable Typeを選んだ。しかもMobable Typeはソースコードは自由に見ることができ、顧客自身によるカスタマイズも許されている」(バーコウィッツ氏)。

 バーコウィッツ氏によると、シックス・アパートの強みはソフトウェアとサービスを両方提供していることだという。「これらにはシナジーがある」(バーコウィッツ氏)。そしてさらに将来、このラインナップの下に、プラットフォームとして求められる新しいサービスを入れる可能性もあるとした。

 またバーコウィッツ氏は、ブログが企業に浸透していくという見方に同意しつつも、同社は企業向け、コンシューマ向けという意識をあまり強く持たずに、ブログ機能をプラットフォームとして提供していくという。「ブログはコミュニケーションのための基本的なツールになる。その上で、コンシューマ向け、エンタープライズ向け、といった付加サービスが提供されていくと考えており、シックス・アパートは幅広いニーズに対応したプラットフォームを提供していく。例えば、エンタープライズ向け営業マンを何千人も雇ってその市場を攻める、といったことをするつもりはない(バーコウィッツ氏)。

 ブログが企業に浸透するシナリオを、ミナ・トロット氏はPCの普及に例える。「現在のブログの状況は、1980年代のPCに似ていると思う。企業はPCの利用価値をそれほど認めていなかったが、社員個人が便利なツールとしてオフィスに持ち込んでいった」(ミナ・トロット氏)。

(@IT 新野淳一)

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