「モバイル技術の進歩に背を向けるのは誤り」、MEA Japan

2005/2/9

シトリックスシステムズ・ジャパン 樋渡純一氏

 シトリックスシステムズ・ジャパンをはじめとするモバイル関連企業7社は2月8日、「モバイル・エンタープライズ・アライアンス・ジャパン」(MEA Japan)を発足したと発表した。企業でのモバイル技術の存在価値と信頼性を高める活動を通じて、企業向けモバイル・ソリューション市場の規模拡大を狙う。海外では、すでに「Mobile Enterprise Alliance」(MEA)が2003年に発足し、欧州とアメリカを中心に活動している。MEA Japan理事長である樋渡純一氏(シトリックスシステムズ・ジャパン)は「事例の紹介などMEAとの積極的な情報共有を進めていく」と話した。

 主な活動は、年4回開催する“ユーザー企業向けモバイルセミナー”や展示会、イベントへの参加といった企業向けモバイル市場の活性化を促す啓蒙活動のほか、構成会員同士の教育や製品の相互検証といった技術交流、「MEA Japan認定プログラム」の策定、「
Mobile Impact Awards! Japan」の実施など多岐にわたる。

 2005年4月に施行される個人情報保護法を目前に控え、企業の情報漏えいに対する危機感は高まりこそすれ、収まることはない。情報漏えいの原因の1つとして、“企業内ネットワークへの社外からのモバイル・アクセス”が挙げられる場合がある。システム構築の際に入念なセキュリティ対策を施し、運用においても十全な配慮を行えば、(少なくともシステム上は)世間一般で認識されるほど簡単に情報漏えいが発生するわけではないが、残念ながら、一度市場に流布してしまった認識を覆すのは難しい。

 MEA Japanの中心にいるシトリックス・システムズ・ジャパンは、1月に就任した新社長の大古俊輔氏を通じ、個人情報保護法の施行を逆手にとって、同社の主力製品であるMetaFrameの好調ぶりをアピールした。しかし、企業向けモバイル市場における顧客企業のセキュリティに対する懸念はいまだ根強い。同市場の拡大が同社のビジネスの伸張に影響することもあり、MEA Japanの活動を通じて、市場を成長させていくという目論見があるようだ。そしてこのことは、MEA Japanの設立メンバーである日商エレクトロニクスや日本通信、丸紅、ネットワールド、エレクトリックマテリアル、ボーダフォンも同様だろう。

(@IT 谷古宇浩司)

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