新ColdFusionは「誰でも使えるWebアプリケーションサーバ」

2005/2/10

 マクロメディアは2月9日、Webアプリケーションサーバの最新版「Macromedia ColdFusion MX 7 日本語版」を3月18日に発売すると発表した。米マクロメディアのシニア テクニカル エバンジェリスト ベン・フォルタ(Ben Forta)氏はMX 7の開発にあたり、数多くのユーザー、開発者に話を聞き、これまでのバージョンの問題点を解決したと述べた。「MX 7は新しいアーキテクチャではないし、新しいアークテキチャを採用する必要もなかった。われわれが行ったのは新しいフィーチャーを追加したことだ」(フォルタ氏)。

米マクロメディアのシニア テクニカル エバンジェリスト ベン・フォルタ氏

 ユーザー、開発者から最も問題と指摘されていたのはColdFusionの帳票の印刷機能だ。Webアプリケーションで処理したデータをWebブラウザから印刷しようとしてもフォームが崩れるなど正しく印刷できないケースがあった。フォルタ氏によるとColdFusionの80%は社内向けのWebアプリケーションに使われているといい、データの表示やレポーティングで問題となっていた。

 MX 7ではこの問題を解決し、CFML(ColdFusion Markup Language)に数行のコードを追加するだけで、Webアプリケーションから印刷に適したフォーマットを出力できるようにした。HTMLコンテンツをPDFまたはFlashPaperで出力可能で、レイアウトを保ったまま印刷できる。出力するページのヘッダー/フッターやページ分割などを設定可能。帳票やレポートをデザインする「ColdFusionレポート・ビルダー機能」があり、ColdFusionで処理したデータを印刷に対応した帳票、レポートに出力できる。

 また、フォーム作成の機能も強化した。XMLベースのフォーム記述言語XFormsに対応したフォームをCFMLのタグだけで作成できる機能を追加。XFormsの処理はサーバ側で実行し、HTMLだけをクライアント側に送るので、XFormsに対応しないWebブラウザでも利用できるという。データグリッドやツリーコントロール、カレンダーなどリッチなFlashフォームの機能も利用できる。

 MX 7はフル機能を搭載したエンタープライズ版(2CPU、126万円)と「エンタープライズマネージャー」「ソースレスデプロイメント」などの機能を省いた「スタンダード版」(2CPU、16万8000円)を用意。マクロメディアの代表取締役 井上基氏は、従来のバージョンと比較してスタンダード版の価格を値下げしたことを説明したうえで「誰でも使えるWebアプリケーションサーバがとうとうできた。特にスタンダード版をWebサイトのデザイナーやクリエイターに使ってもらいたい」と述べた。

(@IT 垣内郁栄)

[関連リンク]
マクロメディアの発表資料

[関連記事]
Flashはユビキタスに進化する、日本はそのリーディングマーケット (@ITNews)
Flashがリッチクライアント戦争に打ち勝つ理由 (@ITNews)
ビジネス市場への切り札“Breeze”、マクロメディア (@ITNews)
ビジネスFlashの最右翼となれるか? Macromedia Flex (@ITNews)
プログラマの聖域にWebデザイナを送り込むColdFusion (@ITNews)

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)