米ジュニパー、「サービスプロバイダは選択を迫られる」

2005/2/19

 「サービスプロバイダは今後どの方向に進むのか選択を迫られる。選択肢は2つ。インターネットか、インフラネットだ」。米ジュニパーネットワークスのテクニカル・ソリューション担当シニア・マネージャ マット・コロン(Matt Kolon)氏はこう述べて、同社が主導する新しいネットワークの構築方法であるインフラネットの推進に自信を見せた。

米ジュニパーネットワークスのテクニカル・ソリューション担当シニア・マネージャ マット・コロン氏

 コロン氏はサービスプロバイダが利用する現在のネットワークについて、「ここ10年を振り返るとインターネットの構築に力が向けられ、誰でも利用できるリソースになった。しかし、その結果としてインターネットはコモディティ化し、サービスプロバイダが収益を挙げにくくなり、顧客の満足も得られなくなっている」と指摘した。

 サービスプロバイダはサービスのコモディティ化を避けるためにプライベートIPやVPN、フレームリレー、ATM、TDMなどを使ったサービス特化型のプライベート・ネットワークを構築してきた。しかし、これらのプライベート・ネットワークはセキュリティや品質の管理が難しく、通信キャリア間の互換性がないというのがコロン氏の考え。

 ジュニパーが提唱するインフラネットはこの現在のネットワークの問題点を解決し、サービスプロバイダが提供するサービスの基盤となる。インフラネットを一言でいうと「インターネットの利便性とプライベート・ネットワークのパフォーマンス、安全性を融合して、あらゆるコミュニケーションをサポートするネットワーク」ということになる。スタンダード技術を基にすべてのサービスにQoS、セキュリティ、信頼性を提供するのが売りだ。

 インフラネットにはパケット通信とレガシーネットワークの互換性を調整する「パケット処理レイヤ」、インフラネット・リソースの管理を行う「ネットワーク・ポリシー管理レイヤ」、インフラネット間で生じるユーザー、デバイス、アプリケーションの違いに柔軟に対応するフレームワークである「サービス・シグナル」の3つのレイヤがある。ポイントになるのは、IP/MPLSによるキャリア間の接続。インフラネットを推進する「Infranet Initiative Council」がそれぞれのレイヤで求められる要件について標準化の作業を行っている。

 コロン氏はインフラネットについて「サービスプロバイダーに対してリソースを構築する方法を提供し、プライベート・ネットワーク、インターネット、未知のネットワークをグローバルに拡張できるようにする」と述べた。

(@IT 垣内郁栄)

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ジュニパーネットワークス

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