Asianuxの最新バージョン、7月末にリリース

2005/3/3

ミラクル・リナックス 代表取締役社長 佐藤武氏

 ミラクル・リナックスは3月2日、中国のRed Flag Softwareおよび韓国のHaansoftと共同で開発している「Asianux」の次期バージョン「Asianux 2.0」(カーネル2.6採用)を2005年7月末にリリースすると発表した。5月13日にβ版を配布し、7月22日にGeneral Available(GA)版をリリースするというスケジュール。ミラクル・リナックスのLinuxディストリビューション「MIRACLE LINUX V4.0 Asianux Inside」は「Asianux」リリース後3カ月以内に出荷する計画だ。

「Asianux 2.0」の機能面での強化ポイントは大きく4点。すなわち、負荷時の安定性を高めた点、日本語、中国語、韓国語のサポート強化(UTF8/EUC/SJIS/GB18030)、KDE(X Window System用に作成されたデスクトップ環境)をベースとしたデスクトップ環境の構築による操作性の向上、そして、x86-64やItanium2、Open Powerなど64ビットプラットフォームへの対応である。

 3カ国、3社の「Asianux」に対する思惑は各国の政府・官公庁市場における「Asianux」をベースとしたサーバ製品の拡販という共通のものがある。この目的を達成するためにも、いわゆるRAS(Reliability/Availability/Serviceability)と呼ばれる要件を機能面で満たす必要がある。特に日本国内おいて、企業の基幹系システムや商用UNIXからの移行を促すには、この要件を満たしていることが非常に重要な要素となる。

 現在は日本、中国、韓国の3カ国3社による共同開発体制だが、ミラクル・リナックス 代表取締役社長 佐藤武氏は、将来的にはインドを始めとしたアジア諸国の企業も共同開発陣に加えていきたい考えを示した。

(@IT 谷古宇浩司)

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