1つの電話番号で複数VoIPをローミング、米ブリッジポート

2005/3/25

 米ブリッジポートネットワークスは3月24日、日本支社を設立したと発表した。ブリッジポートネットワークは、モバイル端末でVoIPを実現するMobileVoIP融合ソリューションの主力製品として「NomadicONE Network Convergence Gateway」(NCG)を開発。NCGは、モバイル、ケーブル、DSL、無線LANなど複数のネットワーク上でのVoIPのローミングを可能にする技術で、ユーザーが単一の識別電話番号で複数のVoIPを使えるようにする。

米ブリッジポートネットワークス 社長兼CEOのマイク・ムリカ氏

 米ブリッジポートネットワークス 社長兼CEOのマイク・ムリカ(Mike Mulica)氏はNCGについて、「ローミング費用がかからないだけでなく、発信者は、受信者がオフィス内にいるか、外出しているかを気にすることなく、電話をかけることが可能になる」と説明。また、「例えば、固定電話とブロードバンドサービスを提供するキャリアがNCGを利用すれば、固定電話、無線LANを使ったIP電話、PCで通話するソフトフォン、携帯電話を単一の電話番号で利用できるようになる」と述べた。

 複数のデバイス間で単一の識別暗号を利用したうえで、SIPを用いて音声配信をIP化させる仕組みは、サービスプロバイダのネットワークに設置するNCGで行う。NCGは同社のソフトウェアとユーザーの位置情報などのレプリケーションデータを持たせたデータベースを搭載し、ユーザーの位置情報によって最適な通信手段を利用できるようにする。複数のデバイス、ネットワークをローミングしてVoIPを使っても電話番号は1つで済む。マイク氏は、「無線LANのローミングと発信先のユーザー位置情報について6件の特許を出願中である」と語った。

 ブリッジポートは、IPネットワークとモバイル・ネットワークの中心部を直接接続できるように通信キャリア向けのパートナープログラムを設けた。フランス・カンヌで開催された「3GSM World Congress 2005」をはじめとするイベントでは、ベル・カナダやエリクソン、ベリサインなどと協力。モバイル・IP間のローミング実験に成功したという。

 国内では、キャリアなどのパートナーと協力してソリューションを提供する。ブリッジポートネットワークス 代表取締役社長 袴田哲也氏は「日本では通信機器、情報処理端末などが米国と比較して進んでいる。キャリアの単一番号導入は、ユーザー向けに大きな付加価値となるだろう。今後18カ月以内にキャリアの商用化を実現したい」と語った。

(@IT 富嶋典子)

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