通話が途切れないアクセスポイント、メルーネットワークス

2005/4/7

 米メルーネットワークスは4月6日、日本市場のマーケティングと技術サポートを強化するため、3月1日に日本法人を設立したと発表した。同社は、2002年にカルフォルニアのサニーベールに設立された無線LAN機器ベンダだ。

米メルーネットワークス 代表取締役社長 イハブ・アブハキマ氏
 米メルーネットワークス 代表取締役社長 イハブ・アブハキマ(Ihab Abu-Hakima)氏は、「米IDCの調査によると、2006年までには無線IP電話を利用する企業は27%におよぶとしており、日本市場はこの市場をリードしていくと考えている。当社は既存ネットワークに統合可能なソリューションを提供し、日本企業の通信コスト削減だけでなく、オフィスのワークスタイルや社員のコミュニケーション方法の変革を実現する無線LANソリューションを提供していく」と述べた。

 メルーネットワークスの主要製品は、無線LANシステム「メルーコントローラ」と「メルーアクセスポイント」シリーズ。同社独自の「エアートラフィックコントロール(ATC)」技術によって、アクセスポイントの切り替え時に発生する瞬断時間をゼロにすることに成功したという。

 エアートラフィックコントロール技術とは、メルーアクセスポイントのBSSID(Basic Service Set Indentifier)アドレスを同一にすることで、複数のアクセスポイントを同一のものとして仮想化することに成功したという。つまり、実際には複数存在するアクセスポイントを1つのアクセスポイントとして無線機器に認識させることで、アクセスポイント間を移動する際に発生する音声の途切れをなくしたというものだ。

メルーアクセスポイント200

 また、独自技術「over-the-air」QoSは、メルーアクセスポイントとクライアント間のアップリンク/ダウンリンクとともに、通信セッションのコーデックタイプやRTP送信間隔をダイナミックに検出することにより、帯域保証を提供するという。この技術によって、アクセスポイントを共用するクライアント数や、やりとりするデータ量が急増した場合でも、音声の品質に悪影響をもたらすことなく、音声/データの品質が確保できる。

 メルーアクセスポイントが対応するのは、標準的なIEEE802.11a/b/gに準拠する無線IP電話やノートPC、PDA。インターフェイスは10/100BASE-T、給電プロトコルはPoE(IEEE802.3af)に対応している。コントローラ1台とアクセスポイント5台を1セットとしたセット販売台数の目標は300〜500セット。日本では8〜10億円の年間売り上げを目指す。参考価格はメルーアクセスポイントが9万円から、メルーコントローラは210万円から。

(@IT 富嶋典子)

[関連リンク]
メルーネットワークス

[関連記事]
無線LANアクセスポイントを新技術で一元管理、ノーテル (@ITNews)
無線LANのアクセスポイントを仮想統合、米エアフロー (@ITNews)
ファウンドリー、無線LAN市場参入 (@ITNews)
無線LAN製品、NECならこう作る (@ITNews)

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)