[eWEEK]
「Visual Studio Team System:オルタナティブ」登場の気配

2005/4/14

 ある開発チームが、マイクロソフトの「Visual Studio Team System(VSTS)」にかわるオープンソースの代替製品(オルタナティブ)開発プロジェクトを起ち上げた。

 「NTeam」として知られるこのプロジェクトの共同発起人で、テネシー州ノックスビル在住のJason Bentley氏によると、同プロジェクトは、まもなく登場するVSTSのように、ユニットテストや構築用のツールである「NUnit」や「NAnt .Net」といった既存の複数のオープンソースツールやアプリケーションを利用し、アプリケーション開発のさまざまな段階に対応するという。

 Bentley氏によると、NTeamはとりわけ、すべてのオープンソースコンポーネントに加え、商用ソフトウェアまで結合してくれるという。

 NTeamの共同発起人で、やはりノックスビル在住のAlan Stevens氏は「これはVSTSと競合する類のものではない。タスク、バグ、テスト、仕様、そしてソース管理の統合実現に対するわれわれの意気込みの現れに過ぎない。また、当初からVSTSの全機能を実装する予定はない」と語っている。

 Bentley氏によると、NTeamは、VSTSライクな製品の機能を望みながら、その高額な対価を支払えない、もしくは支払いたくない中小規模の開発企業がターゲットになるという。マイクロソフトがVSTSの予定価格を発表した2005年3月から、その価格設定には特に小規模の開発企業が尻込みをしていた。

 Bentley氏によると、同氏とStevens氏は、マイクロソフトの2人のエバンジェリストがEast Tennessee .Net Users Groupで講演し、小規模開発企業がTeam Systemのターゲットユーザーでないことを明言したことを受け、NTeamのアイデアを思いついたという。

 Bentley氏によると、NTeamの開発は4月後半に開始し、チームは約75日以内に最初のバージョンを完成するという。

 「われわれは、開発チームに可能性を与える、という中心となる考え方を再現していると思う。個人的には、マイクロソフトを追いかけることに関心はない。私としては、NTeamの独自性を確立したいと考えている」(Stevens氏)。

 マイクロソフトのGotDotNetサイト上で進む同プロジェクトには、現在20人の開発者が参加している。Bentley氏は新たに30人の開発者が参加できるよう要望を出しているが、コアチームに関しては人数制限を設けるとしている。

 Bentley氏によると、Microsoft C# MVP(Most Valuable Professional)のScott Bellware氏や、GeekDojo.netWebサイトを共同で運営するRyan Rinaldi氏など、このチームには.Net開発コミュニティで有名な開発者も数人参加しているという。

 イリノイ州シャンペーンにあるSourceGearの熟練ソフトウェア技術者、Eric Sink氏は、「VSTSに取ってかわるオープンソースの選択肢は、一部の開発者にとって魅力的なものになる。しかし、VSTSが大企業をターゲットにする一方で、オープンソース版のターゲットが規模的にかなり小さくなるのは確実だ。コミュニティプロジェクトがあと5年は確実に大企業をカバーするTeam Systemのクローンを開発することなど想像もできない」と語っている。

[英文記事]
Open-Source Project Offers Alternative to Visual Studio Team System

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