デモで実証、デュアルコア AMD Opteronはどれだけ速いか

2005/4/23

 日本AMDは4月22日、コアを2つ搭載したサーバ/ワークステーション向けの新型プロセッサ「デュアルコア AMD Opteron プロセッサ」を発表した。AMD Opteronは32bitと64bitの両方のアプリケーションを稼働可能。新たにデュアルコアにしてパフォーマンスが向上し、エンタープライズ市場での利用が進むとAMDは期待している。日本ヒューレット・パッカードなどサーバベンダもサポートを表明した。

米AMDのグローバル・エンタープライズ/マーケティング&事業開発 ディレクタ ブルース・ショー氏

 発表したのは6種類のデュアルコア AMD Opteronプロセッサ。4月22日に出荷開始した4/8wayサーバ用のモデル 865(1.8GHz)、870(2.0GHz)、875(2.2GHz)の3種と、5月末に出荷する2wayサーバ用の3種。日本AMDはデスクトップPC向けのデュアルコア・プロセッサ「AMD Athlon 64 X2」も発表、6月に出荷する。

 米AMDのグローバル・エンタープライズ/マーケティング&事業開発 ディレクタ ブルース・ショー(Bruce R. Shaw)氏によると、デュアルコア AMD Opteronは1個のダイにCPUコアを2つ搭載する設計。コア間はフロントサイドバス(FSB)ではなく、「System Request Interface」を用いて接続する。System Request Interfaceを使うことでFSBのボトルネックを回避し、「プロセッサ・スピードでのコア間接続が可能」だという。

 デュアルコア AMD Opteronは940ピン・ソケットと互換性があり、BIOSのアップデートを行うだけで、サーバ・アークテキチャの再設計を行わずに既存のサーバに乗せ換えることができるという。消費電力も現行のシングルコアのAMD Opteronと同じ。ショー氏は、AMD Opteronが当初からデュアルコアを想定して設計されてきたことを説明し、「AMD Opteronこそが真性のデュアルコア・プロセッサだ」と強調した。AMDの最大の競合であるインテルもデュアルコア・プロセッサを開発中で、先手を打って優位性を示した形だ。

 大塚商会の子会社で、ソフトウェア開発を行うOSKの専務取締役 田中努氏は発表会見の中でデュアルコア AMD Opteronを使ったデモンストレーションを行った。田中氏が示したのは、OSKのEIP製品「EasyPortal」でActive Directoryの検索を行って、結果が表示されるまでのスピードを競う内容。比較したのは、「32bit版Windows Server 2003+シングルコアのAMD Opteron モデル 246」と「64bit版Windows Server 2003とデュアルコアのAMD Opteron 275」。物理メモリなどサーバ環境は同じにした。

 検索を行う処理速度は、デュアルコアのAMD Opteroを搭載したサーバが、シングルコアと比較して約2倍速いという結果になった。田中氏は「デュアルコアによって大変な効果が実証できた」として「1日も早くエンドユーザーにこの効果を届けたい」と述べた。

(@IT 垣内郁栄)

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日本AMDの発表資料

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