「ただの音声会議システムじゃない」、ポリコム

2005/5/17

 ポリコムジャパンは5月16日、音声会議とPCデータ共有が同時にできるデータ会議システム「Polycom QSX」を発表した。QSXは、同社の音声会議システム「SoundStation」シリーズと合わせて利用することで、アナログ回線やプロジェクタを用意するだけで音声会議とデータ共有を多拠点でリアルタイムに同時進行させることができる。

ポリコムジャパン 代表取締役社長 奥田智巳氏
 QSXは、音声データのなかにPCのデータを埋め込む独自技術「LPSP(Low Profile Signaling Protocol)」を用いることで、データ通信と音声通話の同時進行を実現した。QSX同士の通信には「AES暗号」を用いているため、盗聴やデータ漏えいの心配も少ないという。

 QSXでは、QSX同士を接続して音声会議とデータ送受信を同時に実現できる。また、出張中などの理由でQSXがないユーザー向けにWebブラウザからQSXへアクセスすることで、データ閲覧のみできる「Webビューア」機能も搭載している。Webビューアは、ブラウザ上からQSXにアクセスし、JPEGベースの画像として会議中に流れるデータを閲覧できる機能だ。QSXの接続は最大5拠点、Webブラウザ接続では最大10拠点まで同時接続が可能となっている。ただし現時点では、QSX同士はファイアウォールを越えて接続することができないので、社外(ファイアウォール外)からアクセスする場合にはWebビューア機能を用いる必要がある。

 例えば、東京本社と大阪支店間で音声会議を行いつつ、パワーポイントによるプレゼンテーションをリアルタイムに同時進行させることができる。パワーポイント上でマーキングなどをした場合にも、ほぼ3〜8fps(フレーム/秒)の遅れで表示可能だ。この会議に設定されたIDとパスワードを知っていれば、パワーポイントのデータをWebブラウザ経由で海外などから閲覧することもできる。

 ポリコムジャパン 代表取締役社長 奥田智巳氏は、「従来の音声会議やWeb会議システムとはまったくコンセプトが異なる。『ただの音声会議システム』ではない。あえていえば、Web会議システムに一番近いだろう」と説明。一方で「QSXでは同時接続は最大15拠点となっている。従って、それ以上の接続数が必要な場合には、一般的なWeb会議サービスなどを利用する方が良いだろう。この15拠点が導入時の判断基準になる。初年度販売目標は3000台だ」と述べ、導入時の判断基準を示した。

(@IT 大津心)

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ポリコムジャパン報道発表資料

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