NECがJBossなど4社と提携、オープンソースのサポート拡充

2005/6/1

 NECは5月31日、米JBossなど4社と提携し、オープンソースソフトウェアを使ったシステムの構築、サポートサービスを拡充すると発表した。NECはLinuxを中心にオープンソースソフトウェアの基幹業務への適用を積極化させているが、ミドルウェアを含めてオープンソース化を進めるには「サポートが課題」(NEC 執行役員常務 伊久美功一氏)という認識。新たに提携した4社と協力することでサポートに厚みを持たせる。

NEC 執行役員常務 伊久美功一氏

 伊久美氏はオープンソースソフトウェアの基幹業務への展開について「利点が認識され、業務での利用が拡大中」と説明。信頼性や拡張性、自由度が理解され、基幹業務への採用も続いているとした。NECはこれまで通信キャリアの通話システム、ネットワーク管理システム、金融システムなど1500サイトの基幹業務をオープンソースソフトウェアで構築した。

 4社との提携ではサポートするオープンソースソフトウェアをWebアプリケーションサーバやファイル/ディレクトリサーバに拡大し、3階層システムをオープンソースソフトウェアで構築、運用できるようにする。Webアプリケーションサーバでは、新たにJBoss Application Serverの構築サービス、24時間の保守サポートを追加。すでに構築サービスを行っているTomcat、Apacheの保守サポートも提供する。

 ファイル/ディレクトリサーバではOpenLDAPの構築サービスと保守サポートを新たに提供。以前から構築サービスを提供しているSambaの保守サポート、教育サービスも追加した。また、構築サービス、保守サービスをすでに行っているデータベースのPostgreSQLについても教育サービスを提供する。MySQLの教育サービスも予定している。

 構築、保守、教育の各サービスは提携する4社と協力して提供する。JBoss Application Server、Tomcatの保守、教育サービスでは米JBossが協力し、7月から提供。Samba、OpenLDAPの構築、保守サービスと、sambaの教育サービスはミラクル・リナックスが協力。6月に提供開始する。また、SRAは従来から提供しているPostgreSQLの構築、保守サポートに加えて、技術者認定試験のPostgreSQL CE資格とトレーニングコースをNECと協力して全国展開する。2005年度中に500人の受験を目指す。

 24時間対応のサポートサービスは、米国に本社がある米Twin Sunが協力する。日本時間の昼間はNECグループがサポートを提供。夜間はTwin Sunが米国ロサンゼルスからサポートする。サポートは日本語。Twin Sunの代表取締役会長 松尾正信氏によると、Twin Sunの社員の半分は日本人だという。オープンソースソフトウェアの構築サービスでもTwin Sunは協力する。

JBossのCEO マーク・フルーリー氏

 3階層すべてをオープンソースソフトウェアで構築するシステムが拡大すると、ソフトウェアベンダ、システム・インテグレータのビジネスは変わらざるを得ない。NECはオープンソースソフトウェアに対応したミドルウェア群「VALUMOウェア」や、構築サービス、サポートサービスで収益を上げる考えだが、構築後のサポートサービスの比重が高くなる。

 JBossのCEO マーク・フルーリー氏は、「起業した当初のソフトウェアベンダはライセンス収入が20%で、サポート収入が80%。中堅企業ではその割合は半分半分になる。大企業になるとライセンス収入は20%で、サポート収入が80%を占めるようになる」と説明し、「オープンソースソフトウェアのビジネスも時間とともに同じような道をたどるだろう」と述べた。

(@IT 垣内郁栄)

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