自分のPC内に何件の個人情報が入っているか分かるソフト

2005/6/3

 日立ソフトウェアエンジニアリングは6月2日、情報漏えい防止ソリューション「秘文」に新しい機能を追加する製品シリーズ「秘文 ME(Managemant Edition)」を8月より販売すると発表した。あわせて、Felicaや指静脈認証も利用できる認証用製品「秘文 AE Authentication」も8月に販売を開始する。これらの製品を従来の秘文シリーズと組み合わせて利用することで、ISMS認証基準の「PDCA(Plan-Do-Check-Action)」サイクルを実現できるとしている。

日立ソフト 執行役 開発事業部 副事業部長 加藤礼吉氏
  秘文 MEは、従来より販売されている「秘文 AE(Advanced Edition)」の機能を補完することを目的に作られた製品。秘文 AEがPDCAのDoを担っているのに対して、秘文 MEはPlan、Check、Actionを担当する。日立ソフト 執行役 開発事業部 副事業部長 加藤礼吉氏は、「2005年4月末時点で1200社、220万ライセンスを販売している。秘文 MEによってPDCAが完成した。今後は秘文 AEと秘文 MEの2本立てで攻めていきたい」と抱負を語った。

 秘文 MEは、資産情報やWindowsのバージョン情報などを自動的に収集し、情報資産DBに保存する「秘文 ME Secure Inspector」、ログの参照・検索や統合管理できる「秘文 ME Log Manager」、個人情報や秘密データの収集が可能な「秘文 ME SI Scan Option」、不正接続を監視し、不正PCは自動的に遮断できる「秘文 ME Port Discovery」の4製品で構成される。4製品を組み合わせることで情報資産の把握から監視・監査までに対応できるという。

 具体的には、秘文 ME Secure InspectorでWindowsのパッチ適用状況やソフトウェアのインストール状況を収集し、情報資産DBに保存する。また、詳細なセキュリティポリシーを策定し、強制的に適用させることも可能だ。秘文 ME SI Scan Optionは、専用のエージェントソフトをクライアントPCにインストールすることで、PC内の個人情報や重要な秘密データを収集できる。個人情報や秘密データは、あらかじめ辞書に登録しておいたDBを参照して決めるので、都道府県情報などを登録しておけば住所データの漏えいを防ぐことができるという。秘文 ME Log Managerは、万が一、事件が起きたときのトレーサビリティに、秘文 ME Port Discoveryは不正接続監視に、それぞれ利用できるとしている。

 日立ソフト 開発事業部 ソリューション営業本部 パッケージ営業部 部長 石原繁樹氏は、「秘文は2004年度実績で『暗号化・DRM分野』で47.1%、持ち出し制御分野でも40%でトップシェアを獲得している。特に2004年は、通信事業者や製造業のユーザーが増加している」と説明。今後は流通業や通信・サービス業など、まだマーケットを構築できていない業界へもアプローチするとしている。

 加藤氏は、「PC内に保存してある個人情報を完全に把握している人は居ないだろう。個人情報は知らないうちに貯まっていくものだ。これを整理するためには、秘文のようなソフトで整理しなければならない。自分が気付いていないデータを守ることはできないだろう」と語り、秘文の必要性を説いた。

(@IT 大津心)

[関連リンク]
日立ソフト報道発表資料

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