GPL v.3.0、2007年にリリース予定

2005/6/11

Software Freedom Law Center(SFLC)所長・コロンビア大学教授のエベン・モグレン氏

 オープンソース専門法律センター「Software Freedom Law Center」(SFLC)所長でコロンビア大学教授のエベン・モグレン(Eben Moglen)氏が来日した。SFLCはオープンソースプロジェクトに対して無料の法律サービスを行う非営利団体。現在はFree Software Foundation(FSF)とオープンソースSambaプロジェクトに対して法的サービスを提供することが決まっている。また、この組織はOSDLの支援も受けている。

 オープンソースソフトウェア(OSS)の社会的な認知度の高まりを受け、著作権をはじめとする法的課題への取り組みが不可欠となっている。モグレン氏はSFLCの活動を通じ、開発者側、利用者側が安心してOSSを利用できる環境を提供していきたいとする。具体的には、OSS開発プロジェクトの初期段階から参加し、法的側面からアドバイスをすることで、知的財産にかかわるような法的トラブルを未然に防ぐ環境を作っていくことや、OSS専門の弁護士を養成する訓練の提供を予定している。

 SFLCはFSFとともに、GPL(GNU General Public License)のv.3.0を策定する作業を進めている。モグレン氏によると、GPLを採用しているOSSプロジェクトの数は7万以上(40万人以上のエンジニア)だという。国際性の反映やカバレッジの拡大(携帯電話からスーパーコンピュータまで)など、OSSの普及によって変化したGPLの適用環境をあらためて見直し、ライセンス内容の更新を行う。ドラフトを基にしたパブリック・ディスカッションを2006年いっぱい行い、2007年初頭に公開する計画である。

(@IT 谷古宇浩司)

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Software Freedom Law Center
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