ケータイでWebサービスと直接通信、セールスフォースの挑戦

2005/6/14

 米セールスフォース・ドットコム(以下セールスフォース)とKDDIは6月13日、au携帯電話とオンデマンドCRMサービス「salesforce.com」の連携に関する業務提携を結んだと発表した。この提携により、両社は法人市場に対し、携帯電話を活用した業務アプリケーション「salesforce.com Mobile Edition for au」を共同で販売する。セールスフォースは欧米において、無線通信が可能なビジネス用携帯端末BlackberryとCRMアプリケーションを組み合わせたASP型業務アプリケーション・サービスを展開している。日本国内では無線通信端末として携帯電話が普及していることから、欧米での成功モデルを携帯電話に置き換えて提供する。

米セールスフォース・ドットコム プレジデント ジム・スティール氏

 従来、携帯電話がASPプラットフォームや企業の業務サーバと通信する場合、携帯電話専用のゲートウェイが必要だった。このゲートウェイモデルでは、機能追加時にゲートウェイにも改修が必要であり、また携帯電話ユーザーの増加によってゲートウェイの増強が求められるなど、拡張に伴うコスト負担の発生を回避することができなかった。このような課題を解決するため、KDDIはBREWで動作するSOAP/XMLミドルウェアを開発、auの3G携帯端末とサーバとのダイレクト通信を実現した。

 ユーザーは毎朝出社前に商談内容を確認し、日中は客先で面談・商談の報告を行い、会社では上司が部下からの報告を確認する、という利用シーンが想定できる。これは、各社が独自の業務システムを構築するのではなく、インターネットを介し、サーバに接続することでサービスを利用するというセールスフォースが提唱する新しい形の業務アプリケーションサービスの姿でもある。情報を受信する端末をPCから携帯電話に“拡張する”ことで、利便性の向上を図りたい考えだ。主なターゲットは中堅・中小規模企業。初期投資額の低さを武器に普及を目指す。当初は、顧客情報管理や商談管理、行動予定管理、スケジュール管理などの機能を提供し、順次サービスを拡充していく予定。

(@IT 谷古宇浩司)

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