パッと撮って、見られる情報配信システム、NTTデータ

2005/6/18

 NTTデータは6月17日、同社の情報配信システム「パッとび」が、TBS主催のアニメーション映画「あらしのよるに」のプロモーションに採用されたと発表した。パッとびは携帯電話のカメラで特定の画像を撮影すると、キャンペーンサイトなどへ誘導できるシステム。今後、「あらしのよるに」のポスターや書籍の帯などにパッとびを採用するとしている。

「パッと撮って、パッと見られる『パッとび』はとても便利」と話していた小林麻耶さん
  パッとびは、通常の画像に識別子を埋め込むことによって、カメラでその識別子を撮影すると特定のWebサイトなどへ誘導できるシステム。この技術は、NTTが従来より研究していた電子透かし技術などを応用して開発を進めていたもの。2005年7月より本格的な提供を開始する。今回のキャンペーンで使用される「パッとび-G by みるら」では、シーフォーテクノロジーの技術を利用している。

 具体的には、カメラ付き携帯電話にiアプリをダウンロードし、iアプリ経由でカメラを起動。特別な識別子を埋め込まれた画像を撮影すると、識別子をサーバに送信・照合し、特定のWebサイトに誘導したり、詳細な情報を表示できる。利用形態としては、QRコードに似ているが、パッとびの識別子は通常の画像に埋め込まれており、識別子が埋め込まれていることは分からないようになっている。このため、デザインやセキュリティの面で有効だという。

左:NTTデータ 取締役 常務執行役員 宇治則孝氏
右: TBSテレビ 専務取締役 城所賢一郎氏
 2005年12月公開予定のアニメーション映画「あらしのよるに」では、ポスターにこの識別子を埋め込んであるほか、コンビニで販売予定のグッズや本の帯にも埋め込み、公式Webサイトへの誘導を目指す。公式Webサイト上では、話のあらすじやキャスト紹介などを行っている。今後は、ブログの開設やゲーム化も想定しているという。

 NTTデータ 取締役 常務執行役員 宇治則孝氏は、「撮影するだけでWebサイトへ接続できるパッとびは、リアルな現実からWebサイトへの入り口のようなものだ。ただし、iアプリが必要なため、このiアプリをユーザーにダウンロードしてもらえるような企画を立案して、普及させていきたい」と語った。また、TBSテレビ 専務取締役 城所賢一郎氏は、「当社は昨今映画にも注力している。昨年も『世界の中心で、愛をさけぶ』や『いま、会いにゆきます』などをヒットさせた。デジタル時代に突入していく今後は、映画とWebサイトの融合も重要だ。今回、パッとびを採用したことによって、映画とWebサイトが強く結び付くと考えている」とコメントした。

(@IT 大津心)

[関連リンク]
NTTデータ報道発表資料
TBS
あらしのよるに

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