RFIDを飛翔させる? トッパンとMSが検証センター開設

2005/6/28

 トッパン・フォームズとマイクロソフトは6月27日、RFIDの最先端技術に触れたり、各種検証が行えるセンター「RFID .NET Solution Center(RDSC)」を開設したと発表した。28日に東京・汐留のトッパン・フォームズ本社内にオープンする。

 RDSCは、「検証」「教育」「体験」を3本柱にしたRFIDのソリューションセンター。トッパン・フォームズとマイクロソフトは、2004年2月に提携を発表して以来、専用サイトやRDSC開設を目指して活動してきた。RDSCでは、デモ展示スペースのみならず、HP製の64bitサーバーやICタグなどを使った検証から、実際のリーダ/ライターを使ったRFIDのパフォーマンス検証なども実施することができる。

左:トッパン・フォームズ 取締役 宇高惠一氏
右:マイクロソフト 業務執行役員 鈴木和洋氏

 具体的には、ICタグやSQL Server 2005を実際に活用して検証できる「Evaluation Space」と、RFIDの基礎トレーニングからRDSC FrameworkやFelicaを活用したアプリケーション構築まで学べる「Education Space」、RDSCが開発したRFID EcosystemやIC周辺機器などを実際に操作・体験できる「Experience Space」を用意。トッパン・フォームズ 取締役 宇高惠一氏は、「『タグが高い』や『標準化されていない』『セキュリティが不安』といった理由でRFID導入に二の足を踏んでいる企業も多いと思う。RDSCでは、これらの不安を払しょくするためにさまざまな設備やトレーニングを用意した」と説明した。

 両社はRDSC以外にも、共同でミドルウェアを開発し、パートナー企業へ無償で提供する予定だ。パートナー企業は協力体制の程度によって3段階に分類。情報提供が中心の「RDSC登録パートナー」と、基本トレーニングを受けることを前提にユーザーへ提案もできる「RDSC認定パートナー」、専用窓口も開設して、積極的にRDSCと協業する「RDSCゴールドパートナー」の3クラスだ。すべてのクラスは、条件を満たせば無料でなることができる。無償提供するミドルウェアには、「リーダ/ライターの制御ソフト」や「データの同期機能ソフト」「DNSをONS対応に拡張するソフト」などが用意されており、今後も随時追加していく予定だ。

RDSCセンターの様子。奥にはHP製の64bitサーバーなども用意されている

 マイクロソフト 業務執行役員 鈴木和洋氏は、「RFIDの市場規模は2010年には現在の2.6倍になるといわれている。特にソリューション分野の伸びが著しい。従って、当社はソリューション分野に特に力を入れていく」と説明。「標準化を急がなくてはならないが、基本的に両社はEPCグローバルに準拠したサービスを提供していく。また、RFIDが普及するとデータ量が爆発的に増えることから、年末にリリース予定のSQL Server 2005をメインにシステム構築を考えていく。SQL Server 2005を中心としたシステムレイヤを当社が担当し、ICタグなどのハードウェアをトッパン・フォームズが、ミドルウェアを共同で開発して提供していく」とし、日本のRFID戦略を明らかにした。

 また、トッパン・フォームズ 情報メディア統括本部 企画本部 マネージャーの大野政美氏によると、「基本的にEPCグローバルに軸足を置いて研究を進めるが、標準化動向によって、ユビキタスIDセンターにも対応が必要だと考えれば、臨機応変に対応していく予定だ」と標準化への対応予定を明らかにした。

(@IT 大津心)

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