IPAが注目するITSSレベル5以上ってどんな人?

2005/7/5

 情報処理推進機構(IPA)ITスキル標準センターは7月4日、2006年3月に公表が決まっているITスキル標準(ITSS)ver.2のポイントと、改訂作業に大きな役割を果たすプロフェッショナルコミュニティの活動について報告した。

 プロフェッショナルコミュニティは、ITSSで定めるITアーキテクトやプロジェクトマネジメントなどの6職種について、ITSSレベル5以上のハイレベルな人材が自立したプロフェッショナルとして活動する際の業種横断的な母体として設置されている。

IPA プロフェッショナルコミュニティ代表 鈴木俊男氏

 IPA プロフェッショナルコミュニティ代表 鈴木俊男氏によると、プロフェッショナルコミュニティの活動は大きく3つ。ハイレベル・プロフェッショナルの現場の体験に基づいた知識をフィードバックしてITSSの充実を図ること、プロフェッショナルのノウハウや知見をフィードバックして後進人材の育成に活用すること、プロフェッショナル同士の相互研さんを促進することの3つである。

 具体的には、職種ごとに設置された委員会が、6職種の育成ハンドブックと評価ガイドラインをまとめ、順次公表している。2005年度以前に設置された3委員会は、ITSS改善提案も作成中であり、これがver.2への改訂に反映される予定。2005年5月設置の別の3委員会がまとめる改善対案は次期のver.3に反映される予定である。

 鈴木氏は「情報産業の商品がハードウェアやソフトウェアでなくサービスになっている以上、人材投資は重要な経営課題となっている」と語る。鈴木氏は、「これがITSS発想の原点」と述べたうえで、人材の技術面に着目するだけではもはや不十分であり、ビジネスの成功という視点から、現実にプロフェッショナルが果たしている価値すべてに着目し、何が必要なのかを掘り下げ、後進の人材育成につなげることが重要であると説明した。

 また、鈴木氏は「戦略的な人材投資のために、客観的な指標を提供するのがITSSであり、プロフェッショナルとはどういう人で、何をしているのか、どうすれば育成できるのかという実像を可視化するのがプロフェッショナルコミュニティである」と、それぞれのポジションを改めて明確にした。

 プロフェッショナルコミュニティが提出するITSS改善提案は、7月6日開催される「ITスキル標準 プロフェッショナルコミュニティフォーラム2005」で明らかになる。IPAは、ITSS改善提案とITプロフェッショナル育成協議会の提案、利用者の意見を基に、ITSS ver.2への改訂作業を進める予定だ。

(@IT 長谷川玲奈)

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情報処理推進機構(IPA)

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