“七人の侍”が新生シマンテックをリードする

2005/7/8

 シマンテックとベリタスソフトウェアは7月7日、両社の親会社である米シマンテックと米ベリタスの合併が正式に完了し、新生シマンテックが誕生したと発表した。ベリタス日本法人は統合の法的手続きが完了するまでの間は存続し、年内をめどにシマンテックを存続会社とした統合が完了する見通しだ。

 日本においては、当面の間、両社の既存製品を提供するほか、サービスやサポートなどのサービスを継続し、3段階に分けて徐々に製品やサービスの統合を目指すという。米シマンテック CTO マーク・ブレグマン(Mark Bregman)氏は、「新生シマンテックは3段階で移行を進める」と語った。

左から、シマンテック 代表取締役社長 杉山隆弘氏、米シマンテック CTO マーク・ブレグマン氏、 ベリタス 社長 木村裕之氏
 移行の第1段階では、今後6カ月間で統合に向けた両社製品の相互運用性の確保を行う。第2段階では、2006年前半をめどに「共通のインターフェイス」や「共通のライセンス体系」「共通のインストール」「共通のアップデート方法」といった部分の統一を目指す。ブレグマン氏は、「シマンテックはすでに『Live Update』という技術を持っているので、これを取り入れる可能性もある」と述べた。第3段階では、セキュリティとストレージ管理の技術を統合したまったく新しい分野の製品の出荷を、2006年後半以降に目指すとした。

 シマンテック社長の杉山隆弘氏は、両社が統合したメリットに「サービスがカバーする範囲の広さ」と「技術的な奥行き」「グローバルな対応力」の3点を挙げた。また現在の日本法人の状況に関しては、「米国で統合が完了し、日本においても1つのチームとして稼働できる状態になった」と語り、両社の統合計画がスタートラインに立ったばかりであることを強調した。すでに営業体制は一新しており、ベリタス社長の木村裕之氏がエンタープライズ部門営業のトップに立ち、杉山氏を含めた計7人の営業トップ体制になったとしている。ブレグマン氏はこの営業チームを映画「七人の侍」に例え、「『七人の侍』が日本法人をリードする」と表現した。

 木村氏によると、「日本でも着々と統合に向けた取り組みを行っており、オフィスの統合なども検討しているものの、場所や時期は未定」とのこと。なお、新生シマンテック日本法人の社長には、現シマンテック社長の杉山隆弘氏が就任し、現ベリタス社長の木村裕之氏は代表取締役副社長エンタープライズセールス担当に就任する予定だ。

 ブレグマン氏は新生シマンテックについて、「ソフトウェア業界で売り上げ第4位の企業となる。従業員数は、ワールドワイドで約1万4000人、アジアパシフィック地域で約2700人、日本は約400人の規模だ。また、両社を合わせた2003年の売り上げは350億ドルだったが、2007年には560億ドルになる」と予測。「これは年平均で32%の成長率になり、業界平均の7%をはるかに上回っている」と両社の合併効果を強調した。

(@IT 大津心)

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