教師の80%がLinuxPCに満足、IPA実証実験の結果を発表

2005/7/20

情報処理推進機構 参事 秋間升氏

 独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)は7月19日、「学校教育現場におけるオープンソースソフトウェア活用に向けての実証実験」の成果を公開した。小学校から大学まで全国17校、約3800名の児童・生徒・学生が参加した。システムの使い勝手やアプリケーションの動作状況を確認するとともに、遠隔サポートによるシステム保守の運用状況を検証した。OSSのデスクトップ環境について、このような規模で実証実験が行われたのは国内では初。IPAでは今回の実証実験で得られた知見やこのために開発されたソフトウェアの成果を広く公開することで、OSSの普及促進を図っていく。

 2種類行われた実証実験のうち「Linux専用デスクトップPC利用による実証実験」には、茨城県つくば市の小中学校と岐阜県の小中学校、十文字女子学園計9校が参加した。参加生徒総数3089名(307台のPC)を対象に、OSSシステムの導入・運用におけるいくつかの問題点を検証する形で展開した。例えば、“OSS環境におけるアプリケーション不足問題の実態の観察”や“OSSの導入によって、教師に課される管理負荷は本当に低減するか、またどの程度低減するか”など。実施にあたっては、三菱総合研究所やアルゴ21など9社がサポートを行った。

 得られた成果は概(おおむ)ね、OSSに対して良好であった。つまり、既存の商用ソフト向け教育用コンテンツに一部改良を加えることで、LinuxPC上で問題なく動作することが確認できたこと、Linuxでは不得意とされていた動画コンテンツが、OSSアプリケーションを改良することで対処できることなどが確認できた。使用者の反応もよく、特に小学校の児童の場合、約80%が習熟度として「使えるようになった」と回答した。教師からも、LinuxPCは機能的にほぼ要求を満たしており、約80%が総合評価として「十分満足」「ほぼ満足」といったプラス評価が得られた。

 IPAではホームページ上で詳細な数値データやアンケート結果などを公開する予定。加えて、今回の実証実験の結果を元に、学校関係者を対象とする「OSSデスクトップ導入ガイドブック」を作成したり、サポートビジネスモデルを提示するなど、OSS普及促進のための具体的な行動を展開していく。

(@IT 谷古宇浩司)

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情報処理推進機構

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