組込みCASEツール「ZIPC++」、UMLエディタを新たに追加

2005/7/30

 キャッツとスパークスシステムズジャパンは7月29日、業務提携を結んだと発表した。キャッツの組み込み開発向けのCASEツール「ZIPC++」と、スパークスシステムズのUMLエディタ「Enterprise Architect」を連携させる。

 UMLで、あるシステム(組込み領域に限らない)の動的な振る舞い(いつ、どこで、何をする)を設計する場合には、ステートチャート図というダイアグラムを活用する。ステートチャート図は、ある処理の大雑把な流れを把握するのに適したダイアグラムだが、組み込み開発分野で求められる“予期しないイベント”の補完をできるほどの網羅性を備えてはいない。組み込み分野で経験の長いキャッツでは、ステートチャート図の欠点を補完するために、状態遷移表(STM:State Transition Matrix)を活用することを提案している。

 Enterprise ArchitectでUMLを行い、さらにZIPC++で状態遷移表を活用した複合的な設計を行うことで、組み込みシステム開発には欠かせない設計上のモレやヌケを防止する。その後、コードジェネレータによって、UMLモデルと状態遷移表からコードを自動生成しながら実装作業を進めていく。

 UMLによるステートチャート図作成の設計工程において、キャッツはスパークスシステムズジャパン以外の企業とも業務提携を結んでおり、ZIPC++を使用する組み込み開発エンジニアにとってはUMLエディタの選択の幅が広がることになる。2005年3月に、日本IBMのRational Roseと連携している。

 ツール間の連携実現時期は2005年9月。

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キャッツの発表資料

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