三次元ブラウザ発表、NTTソフトウェアはグーグルに続くか

2005/8/12

 NTTソフトウェアは8月11日、Webサイトのページや画像をアイコンにして三次元で表示することができる新しいWebブラウザシステム「SpaceBrowser」を10月に発売すると発表した。通常のWebブラウザと比較して、大量のWebサイトを一覧でき、情報検索が容易になるのが特徴。NTTソフトウェアは施設案内などのキオスク端末に利用する考えで初年度3億円の売り上げを目指す。

 複数のWebサイトを閲覧するには、通常はWebブラウザのブックマークを開き、1つ1つ表示させる必要がある。しかし、SpaceBrowserを使えば三次元空間上に複数のWebサイトを同時に表示できる。三次元空間内にXYZの3軸を設定し、表示するアイコンの属性に応じて、Webページやアイコンを配置することも可能。

 NTTソフトウェアのネットワークサービス・ソリューション事業グループ ブロードバンド通信サービス事業ユニット プロジェクトマネージャー 岩渕明氏は「情報を三次元で配置することで、一部分だけや重なっているアイコンでも内容を認識できる」と説明した。「分かりやすさ、やさしさが情報案内、Webサイトに効果的だ」

 NTTソフトウェアはSpaceBrowserで3つの用途をアピールする考え。1つ目は商品の特性を3つに整理し、三次元空間内に3軸を設定する利用法。例えば、ワインの価格、香り、酸味などのXYZ軸を三次元空間内に設定し、ワインの種類ごとに配置する使い方がある。XYZ軸を参考に、自分の好みのワインをすぐに見つけることができ、Webサイトや店頭の商品検索に利用できるとしている。

「SpaceBrowser」の利用例。三次元空間内にワインの価格、香り、酸味でXYZ軸を設定し、ワインの画像を配置する。画像をクリックするとワインの詳細が分かる

 2つ目は施設案内の用途。3Dグラフィックスで施設を描画し、設備や店舗などの情報をSpaceBrowserを使ってアイコンで表示する。ユーザーは施設の全体を確認しながら、目的の場所を探すことができる。3つ目は情報の一覧。三次元空間に表示することで大量のWebサイトを一覧できるため、「ニュースサイトのページや、ポータルの情報を1画面内に複数表示させることが可能」(岩渕氏)になるという。

 SpaceBrowserで表示するコンテンツの作成は比較的簡単にできるようだ。NTTソフトウェアが用意するExcelのワークシートに表示内容や操作ボタンを入力し、XMLデータで出力する。そのXMLデータをWebサーバにアップする。アップするXMLデータは、SpaceBrowserで実行するための独自スクリプト(JavaScript、XSLTを利用)と、画面描画用のデータで構成する。ユーザーはまずスクリプトをダウンロードしてPCで実行。必要に応じてWebサーバから画面描画用データをダウンロードする。サーバ側でCGIを組めば、クライアントの実行結果をサーバに戻して反映させることも可能だという。

 SpaceBrowserはスタンドアロンのアプリケーションとしてPCで稼働する。Internet Explorerと組み合わせて利用することもできる。NTTソフトウェアは「まずは有望なマーケットに先行投入する」としていて、施設案内などのキオスク端末向けに当初は注力する考えだ。その後、Webサイトで利用するネットワークアクセス型や、企業向けにほかの製品と組み合わせたソリューション販売を展開する。

SpaceBrowserの利用例その2。3Dグラフィックスで施設を描画し、関係する情報をアイコンで配置する。3Dグラフィックスは自由に移動させられる

 スタンドアローン型は20万円から、Webサイトで使うネットワークアクセス型は300万円から、ソリューション販売は1000万円からとなる。

 三次元描画を特徴とするWebブラウザやリッチクライアント環境は過去にも登場したが、いずれも普及したとはいえないのが現状。ただ、グーグルの「Google Earth」が人気になるなど3Dグラフィックスが受け入れられる素地はある。NTTソフトウェアはキオスク端末という攻めやすいエリアに当初はターゲットを絞り、着実な普及を狙う。

(@IT 垣内郁栄)

[関連リンク]
NTTソフトウェアの発表資料

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