楽天社長が「流出対策は拙速にした」、衆院選出馬は「ない」

2005/8/18

 楽天の代表取締役会長兼社長 三木谷浩史氏は8月17日、同社の中間決算説明会で、楽天市場で開始したカード決済代行サービス「カード決済代行あんしんサービス」への完全移行を8月11日から25日に延期したことを正式に発表した。楽天の新しいカード決済代行サービスである「あんしんサービス」「R-Card Plus」には、カード加盟店契約の関係で迅速に移行できない店舗や、決済手数料が値上がりする店舗からクレームがあり、あんしんサービスの申し込み受付期間を延長していた(参考記事)。

楽天の代表取締役会長兼社長 三木谷浩史氏

 楽天は7月末に発覚した個人情報の流出事件を受け、クレジットカード番号が楽天市場に出店する各店舗にわたらない新しいカード決済代行サービスへの移行を急いでいる(参考記事)。カード決済を行うすべての店舗をR-Card Plusに最終的に移行させる考えだが、カード会社の審査などに最低1カ月程度かかるため、既存のカード加盟店契約のままでカード番号を見えなくするあんしんサービスを暫定的に8月11日に開始した。

 だが、あんしんサービスはカード会社と個別に加盟店契約を結んでいる店舗が対象で、ヤマトフィナンシャルの「クロネコ@ペイメント」、ネットプロテクションズの「NPカードサービス」などカード決済代行サービスを使っている店舗は「対象外」(楽天)。8月10日以降はカード決済ができなくなるはずだった(参考記事)。そのため対象外とされた店舗やあんしんサービスに申し込まなかった店舗が反発し、あんしんサービスの完全移行が8月25日まで延期されたとみられる。楽天は新たに店舗の相談窓口として「サポートカウンター」(仮称)を設けて、あんしんサービスやR-Card Plusへの移行を働きかける構えだ。

 決算会見の中で三木谷氏は「8月11日からほとんどの店舗でスタート、8月25日に完全に移行になる」と説明した。店舗から拙速などと指摘されていることについては、「(今回の対応が)拙速かというと拙速にやった。急いでやらないとユーザーの信頼を失い、店舗の商売があがったりになる」と述べ、店舗の経営を考えた対応であることを強調。「ダイナミックなドーピング的な措置を採る必要があった」と述べた。

 さらに三木谷氏は「正直いってすべての人がこの急激な変化にハッピーというわけでないと思うが、私の感触では概ねほとんどの店舗で賛同をいただいていると思う」と述べた。

増収増益で黒字化、衆院選出馬は「まったくない」

 楽天の2005年6月中間期連結決算(1−6月)は、EC事業などが好調で最終損益が51億円(前年同期は86億円の赤字)の黒字になった。売上高は前年同期比73.7%増の358億円。経常利益は56.9%増の114億円となった。事業別では楽天市場のEC事業が好調で、第2四半期の営業利益は前年同期比60.6%増の24億円。第2四半期のEC事業の流通総額は、金額ベースで前年同期比60%増の792億円。件数ベースでも68.9%増の656万件となった。楽天市場の新規出店数も1732店を記録し過去最高。退店は635店で、純増数は1097と過去最高になった。三木谷氏は「楽天グループ全体のブランド戦略とポイントのクロスセルが非常にうまくいっている。満足いく第2四半期であったと思う」と述べた。

 また、三木谷氏は、ライブドアの代表取締役社長兼最高経営責任者 堀江貴文氏が自民党から衆院選の出馬要請を受けたことに関連し、「(出馬の要請は)まったくない」と述べた。「政治には向いていないので、ビジネスをしっかりやりたい」として、堀江氏については「経営者はそれぞれ考えがあると思うので、ほかの方についてはコメントを差し控えたい」とした。

(@IT 垣内郁栄)

[関連リンク]
楽天の発表資料(決算短信、PDF)

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