Windows Vista、Office 12は「よりよい結果をより素早く」

2005/9/15

 米マイクロソフトは9月13日(米国時間)、米国カリフォルニア州ロサンゼルスでソフトウェア開発者向けカンファレンス「Microsoft PDC 2005」を開催した。基調講演を行った同社会長兼チーフソフトウェアアーキテクト(CSA)のビル・ゲイツ(Bill Gates)氏は過去30年の同社とPC業界の変革を振り返りつつ、今後いかに情報システムのビルディング・ブロックを構築していくかについて言及した。

米マイクロソフト会長兼チーフソフトウェアアーキテクト(CSA)のビル・ゲイツ氏

 プラットフォーム構築において同社のキーとなるのは、2006年後半に登場が予定されている次世代Windowsの「Windows Vista」と次世代Officeの「Office 12」(開発コード名)だ。Windows Vistaは現在ベータ1版が開発者向けに提供されているが、これと同時にCTP(Communication Technology Preview)版の提供も予定している。CTPは開発者向けの技術プレビューで、WinFXやAvalon、Indigoなどの次世代機能をいち早く開発者に提供することで、早期のソフトウェア開発や技術への適合を目指すものだ。

 このCTP版は、早ければ10月にも提供が開始される見込みだ。またOffice 12のリリース・スケジュールについても、Windows Vistaの登場時期である2006年後半となる見込みであることが発表された。Office 12の開発テーマは「よりよい結果をより素早く」。Windows VistaとOffice 12は同日のリリースではないと同社は述べているが、両製品の関係が密であることもあり、近いタイミングで登場することになるということだ。

 また、今回の基調講演ではいくつかのキーワードが発表された。Windows Vistaの主要コンポーネントであり、プレゼンテーション(画面表示)機能と通信機能をつかさどる「Avalon」「Indigo」は、それぞれ「Windows Presentation Foundation」(WPF)、「Windows Communication Foundation」(WCF)という名称に変更された。

 新たなWebブラウザ上のリッチクライアント環境「Atlas」も紹介された。AtlasはDHTML+XMLをベースとしており、いわゆるマイクロソフト版Ajaxである。アイデア的には従来よりあるものだが、昨今のAjaxブームを受けて改めてハイライトされたものだろう。会場のデモでは、Atlasを使って構築されたアプリケーションがWindowsとMacの両方の環境で問題なく動作することを示し、Ajaxなどで問題となる機種依存の課題をクリアしていることをアピールした。

(鈴木淳也/Junya Suzuki)

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