Java Community Process議長ら来日、Java標準化の実際

2005/9/23

 Javaテクノロジの公開標準化プロセス「Java Community Process」(JCP)の議長およびExective Committee(EC)のメンバーが9月22日に記者会見を開き、JCPの活動に関する最新情報を公開した。

 JCP議長のオノ・クラウト(Onno Kluyt)氏(サン・マイクロシステムズ)によると、現在のJCPのメンバーは900(企業、個人を含む)強、JSR(Java Specification Request:新規仕様の開発や既存仕様の改訂を提案するための文書)としては270が決まっている。JSRは年平均40〜45本提出されるが、全体の3分の1は(実装やテスト・ツールを含めて)完成している。

JCP議長のオノ・クラウト氏(左)とExective Committeeのメンバー

 現在のJCPのバージョンは2004年3月9日に公開された2.6で、2.5からの変更点はJSR215にまとめられている。ポイントは、JCP会員に加え、非会員もJSRの早期評価プロセスに参加可能になるなど、標準化作業の迅速さを図る「民主化」を実現した点にある。作業スピードという問題に関しては、議長のクラウト氏のほか、ECのメンバーであるペンティ・サボライネン(Pentti J Savolainen)氏(ノキア)やエドワード・コッブ(Edward Cobb)氏(BEAシステムズ)、マイケル・バーコフ(Michael Bechauf)氏(SAP)なども敏感に反応し、「(標準化作業は)極めてスムーズに進んでいる」とコメントした。この問題は実は、以前より議論が巻き起こっているJavaのオープンソース化という問題とも密接に結び付いている。つまり、オープンソースのコミュニティにおける標準化作業とJCPにおけるある意味“閉じられた標準化プロセス”の相違に関する議論でもある。

 この問題をめぐっては、2004年初頭からIBMやオープンソース擁護者のエリック・レイモンド氏などが公開書簡でオープンソース化を求めて運動を行っており、いまだに議論は収束していない。現段階では、Javaに変更や修正を加える場合には、JCPが提供するテクノロジ互換性キット(TCK)を利用した互換性テストに合格しなければならない。このような独特のプロセスも含め、JCP ECのコッブ氏は、JCPにおける標準化プロセスの利点として、互換性の維持を筆頭に挙げている。ただし、JCPの課題として、(技術の)革新性と標準化のどちらを優先すべきなのかという議論の難しさも指摘する。IT業界における技術革新の速度は年々高まっている。業界全体に影響を及ぼす革命的な技術のいくつかがオープンソースのコミュニティから生み出されているという状況を考え合わせると、Javaのオープンソース化という問題はJCPにとって無視できない課題であるともいえそうだ。

 なお、JCPは5年間の活動の中で、デスクトップ仕様(J2SE・Java SE)を3バージョンとエンタープライズ仕様(J2EE・Java EE)を3バージョン、およびモバイル仕様(J2ME・Java ME)を2バージョン確定している。クラウト氏は「マイクロソフトは.NETでこれほどのバージョンを出せていない」とし、Javaの優位性とJCPの活動の着実性を強調した。

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