ブロケード、Windows環境で抜群な性能のWAFS

2005/9/30

 ブロケード コミュニケーションズ システムズと東京エレクトロンは9月29日、ブロケードの「Brocade Tapestry WAFS」の販売を開始すると発表した。個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)の本格施行で必要性の高まっている情報漏えい対策を必要とするユーザーや、WANの遅延を懸念しているユーザーをターゲットを中心に販売する。初年度の営業目標は5億円。

ブロケード 代表取締役社長 津村英樹氏
  Tapestry WAFSは、ブロケードが開発したWAFS(Wide Area File Services)製品。中央データセンターにコアアプライアンスを、各拠点にエッジアプライアンスを設置して利用することで、WANの遅延や帯域幅の問題を解消するという。WAN環境に最適化された独自のプロトコル「SC/IP」を利用しているのが特徴だ。

 具体的には、コアアプライアンスとエッジアプライアンス同士が遅延やパケットロスに強いSC/IPで通信するほか、キャッシュサーバの役割も担うことで、WAN環境においてもLANと同じような感覚でファイル操作が可能だという。また、Tapestry WAFSはWindows Storage Server 2003をベースとしたアプライアンスであり、さらにWindowsのCIFS向けに最適化を施していることから、Windows環境に強いという。

 これらの機能によって、従来は拠点ごとに存在したファイルサーバのリソースを仮想化することで、中央データセンターにリソースを集約することができるほか、データを中央管理することで情報漏えいのリスクも低減できる。ブロケードでは、このような仮想的にリソースを集約することで、IT運用コストを低減する「モノリシックデータセンター」構想を打ち出している。ブロケード 代表取締役社長 津村英樹氏は、「企業で扱われるデータの75%が、データセンターの外で扱われているのが現状であり、管理部門が管理しきれていない状況だ」と例示し、データ漏えいを警告した。

 東京エレクトロンは、Tapestry WAFSの国内販売を担当。コンサルティングからシステム設計、保守サポートなども行う。また、販売パートナー企業に対してのテクニカルトレーニングなども担う。

 津村氏は、「現在、企業におけるファイル共有の95%はWindows環境におけるCIFSが占めている。従って、CIFS向けに最適化されたTapestry WAFSは、他社の競合製品と比較してWindows環境における性能は抜群といえるだろう」と語り、Windows環境下での性能に自信を見せた。

(@IT 大津心)

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ブロケードの発表資料

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