ライバルには負けない「Notes/Domino 7」発表

2005/10/6

「われわれはこれからもイノベーターとして、コラボレーションの市場で活躍していく」と、米IBMのマイク・ローディン氏

 「Notes/Dominoは、これまでにないペースで世界の企業に採用されている」。米IBMでロータスソフトウェアの総責任者を務めるマイク・ローディン(Michael Rhodin)氏は、Notes/Dominoの新バージョンである「IBM Lotus Notes/Domino 7」の発表に合わせて都内で行われたイベント「Lotus Day 2005」の基調講演で、ビジネスの好調さをアピールした。

 グループウェア市場では、マイクロソフトやサイボウズといった競合ベンダがNotes/Dominoからのリプレースを狙ったアプローチを展開している。しかし、ローディン氏は「ノーツはコラボレーションのために設計されたソフトウェアであり、メッセージング機能はその1つに過ぎない。それがほかの製品と根本的に違う」と、メッセージング機能を核とするExchange Serverをけん制する。また、国内の市場についても「Notes/Dominoからサイボウズに移ると機能が下がるため、それに満足できずに戻ってくる顧客も多い。実際にはこちらが奪っている顧客が多いのではないかと思う」(日本IBM ロータス事業部 事業部長 澤田千尋氏)と、競合に対して優位にあるとの認識だ。

 新バージョンのNotes/Domino 7は、今年20周年を祝うNotes/Domino製品の「集大成だ」(日本IBM ロータス事業部 事業部長 澤田千尋氏)と位置付ける製品。SOAに対応し、Notes/DominoアプリケーションをWebサービスとして、ほかのアプリケーションと連携させることができるようになった。これまでもNotes/Dominoを基幹業務の一部として連携させるアプリケーションがあったが、SOAを使うことでより標準的なインターフェイスを利用可能となる。

 また、Notesクライアントの設定の集中管理、スパムメール対策などの新機能も取り入れた。Dominoサーバのパフォーマンスの改善も行われ、2005年後半からは世界中のIBM社員5万人が利用する環境で実際に利用。平均35%程度のCPU利用率の改善がみられたという。

 Notes/Dominoの利用者を安心させるために、IBMは将来のロードマップを示すことにも熱心だ。ローディン氏は次期バージョンとなる予定の「Hannover」(コードネーム)の画面を示し、「既存のアプリケーションやユーザーインターフェイスの互換性を備えたうえで、ユーザーエクスペリエンツをオーバーホールした。利用者のアクティビティを中心としたコンピューティングを実現する」(ローディン氏)と、会場に集まったNotes/Dominoユーザーに紹介した。

 そのうえでローディン氏は、ライバルとの比較を忘れない。「われわれはこの4年で着実にバージョンアップを積み重ね、将来のロードマップまで明確に示している。ライバルのベンダは、構想を発表してはいくつも失敗し、ロードマップも明確ではない」

 Notes/Domino 7は、2005年11月1日からダウンロード販売が、11月25日からはパッケージ販売が開始される予定。

(@IT 新野淳一)

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