「速い、安い、多い」でDATの駆逐を狙うエクサバイト

2005/10/12

 エクサバイトは10月11日、米国で発表したばかりの同社のテープバックアップ装置の新製品を、日本市場に投入すると発表した。コストパフォーマンスや堅牢性を武器に、DDSやDATが大部分を占めている中小企業や部門サーバ用バックアップ装置の代替を狙う。

 新たに発表されたVXA-320シリーズは、既存のテープカートリッジで最大容量のものを利用した場合、データ非圧縮時でも1本当たり160GBの記録が可能で、データ転送速度は12MB/秒に達するという。同社には既存製品としてVXA-2があるが、これと比較して、容量、転送速度ともに2倍となる。データ圧縮時の容量は320GB、転送速度は24MB/秒。中小企業のためのテープバックアップ装置として高いシェアを持っているのはDATだが、現在主力の規格であるDAT72では最大容量が36GB、データ転送速度は3MB/秒(ともにデータ非圧縮時)であるため、これらに比べてVXA-320はどちらの点でも4倍の性能を発揮するという。

 VXA-320の新製品は、内蔵型の「VXA-320 Internal Packet Tape Drive」(参考価格19万8000円)、外付け型の「VXA-320 External packet Tape Drive」(同28万円)、そして10個のテープカートリッジを収容でき、合計3.2TBの容量を実現するオートローダー型の「VXA-320 PacketLoader 1X10 1U Plus」(同58万円)の3モデル。テープカートリッジとしてはこれまでVXAシリーズ用に提供されていた「X6」、「X10」、「X23」をそのまま利用可能で、X6(VXA-320シリーズで利用した場合の容量はデータ非圧縮時で40GB)の市場価格は2000〜2500円、X10(同80GB)は4000〜5000円、そしてX23(同160GB)は1万〜1万3000円。ドライブ装置本体の価格、データ記憶容量当たりのテープカートリッジ価格においても、DDSやDATと同等あるいは優位だという。

VXA-320 PacketLoader 1X10 1U Plus

 VXAシリーズでは、一般的なテープ装置のトラック記録方式とは異なり、エラー訂正コード(ECC)とともにパケットとしてデータを書き込む独自の方式を採用、これによりヘッドとテープのアラインメントを容易にし、速度や信頼性の向上を図っている。

 エクサバイトのワールドワイドセールス&マーケティング担当バイスプレジデント、ビル・ヘイク(Bill Hake)氏は、ディスクバックアップと比較した場合のテープバックアップの市場性について、「市場をドライブユニットの出荷数で見ると、全体として年率5〜7%減だが、オートローダー型の市場は伸びている。財務レポートや、コンプライアンスのための電子メール・バックアップなど、バックアップ・データは急速に増大している。肥大化するデータを経済的にバックアップするメディアとしては、今後もオートローダー型のテープバックアップ装置が最適」と話した。

 日本市場では、これまでIBMおよび富士通が同社製品をOEMあるいはオプション製品として採用しているが、まだ年間売り上げは1億円に満たないという。しかし今回の新製品では、今後1年間に3億円を見込んでいる。「日本の中小企業では、一度採用したバックアップ装置を長期にわたって変えたがらない傾向が強い。こうした人たちに理解してもらうのが日本市場における最大の課題」とヘイク氏は話した。

 とは言え、日本だけでなく世界的にVXAに関する啓蒙が必要であるという認識を、エクサバイトは持っているようだ。同社は対応データカートリッジを製造・販売するパナソニック、TDK、ソニー、そしてエクサバイト製品の総代理店となっているアイメーションなどと組んで、来週にも「VXAアライアンス」を立ち上げる。PR活動を通じて、VXAへの理解を深めてもらうことが目的だ。

(@IT 三木泉)

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