2万円ちょっとでサーバの仮想化してみませんか?

2005/12/2

 マイクロソフトは12月1日、同社のサーバ仮想化ソフトの新バージョン、「Microsoft Virtual Server 2005 R2」日本語版をリリースした。2万2800円からという強烈な価格設定が最大のウリだ。

 Microsoft Virtual Serverは、Windows Server 2003上でバーチャルマシン環境を構築できるソフトウェア。マシンのリソースを複数の論理的な区画に分割し、それぞれにおいてOSとアプリケーションを別個に走らせることができる。これにより、アプリケーション稼働の安定度やセキュリティを向上させたり、物理的なサーバの統合を図ったりすることができる。

 バーチャルマシン上で稼働できるOSはWindows Server 2003(Standard、Enterprise、Datacenter Edition以降)、Windows Small Business Server 2003(Standard、Premium Edition以降)、Windows XP Professional、そして64ビットのWindows Server 2003x64(Standard、Enterprise、Datacenter Edition以降)、Windows XP Professional x64。このうちWindows XP Professionalについては32ビット、64ビットとも、実稼働環境で使うことができないという制限がある。

 上記のように64ビットCPUを新たにサポートしたことはR2の特徴の1つだ。ただし、対象となるのはAMD64 とIntel IA-32e/EM64T (x64) で、Itanium(IA-64)は含まれていない。

 そして、最も注目されるのが圧倒的な価格の低さ。Microsoft Virtual ServerにはStandard EditionとEnterprise Editionの2つがあるが、新バージョンのStandard Editionは2万2800円と、前バージョンの9万9800円から80パーセント近くの値下げとなった。Enterprise Editionは、前バージョンの21万1000円が4万5800円に、これも80パーセント近い値下げである。Standard EditionとEnterprise Editionに機能上の違いはない。Standard Editionでは最大サポートCPU数が4CPUであるのに対し、Enterprise Editionでは32CPUとなっている。

 Microsoft Virtual Server 2005 R2では、この上で走らせるOSやアプリケーションごとにライセンスが必要だ。マイクロソフトでは今回、ボリュームライセンスのポリシーも同時に改定したが、このなかで、「同時に実行するソフトウェアのインスタンス数に対して、ソフトウェアライセンスが必要」と表現している。「既存のインスタンスを単にコピーしただけでは実行されているとは見なされない」という。

(@IT 三木泉)

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マイクロソフトの発表資料

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