2005年の＠ITニュース アクセストップは「OpenOffice.org」
2005/12/28
2005年の＠ITニュースのページビューランキングを集計したところ、オープンソースソフトウェアに関する記事がトップにランクインした。読者の強い関心が伺える。1位はマイクロソフトがオープンソースのオフィスソフトに対する自社製品の優位点をアピールする「MSから見た、OpenOffice.orgが使えない理由」。クライアント環境をMicrosoft Officeに統一すれば、セキュリティの維持やユーザーサポートの統合、運用管理の容易化でコストを抑えることができると訴えた。
18位にはソースネクストがクライアントPC向けLinux OSを1980円で売り出すことを報じた「ソースネクスト、1980円LinuxでWindowsに勝つ！」が入った。ソースネクストはLinux向けの一般アプリケーションの拡充も急いでいて、2006年もLinux関連の話題は多そうだ。また、27位にはソフトウェア製品のOSS化を進めているサン・マイクロシステムズの記事「サンは世界一の太っ腹？ Solaris 10をオープンソース化」がランクインした。
システム障害の記事が目立ったのも2005年の特徴だ。9位にはウイルス定義ファイルの作成ミスで多数のPC、サーバに障害が発生した「ウイルスバスター原因でシステムダウン、月曜朝は注意を」が入った。トレンドマイクロは障害が発生した土曜日に緊急会見を行い、翌日曜日も会見（「【技術解説】トレンドマイクロは何を誤ったのか」13位）、さらに社長が会見で謝罪（「トレンドマイクロ社長が謝罪、『もう一度チャンスを下さい』」16位）、そして6月に復活を宣言した（「“雨降って地固まった” トレンドマイクロが復活宣言」115位）。
カカクコムが不正アクセスでWebサイトを閉鎖したことを報じた記事「価格.comが不正侵入で閉鎖、高度技術の組織犯に狙われる」も29位にランクイン。Webサイト閉鎖前にアクセスしたユーザーがコンピュータ・ウイルスに感染するなどカカクコム自身が被害者であり、加害者となった。Webサイトの再開を伝えた記事「カカクコムがサイト再開、依然残る多くの疑問」は14位に入った。人気のWebサイトではほかに楽天市場に出店していた店舗で個人情報の流出事件が発生。この店舗を利用していて個人情報が漏れてしまった女性の体験を伝えた記事「【特報】「ヌーブラを買ったばかりに」、楽天被害女性の悲しみ」も上位にランクインした。2005年は個人情報保護法が完全施行されたが、電子商取引サイトや金融機関からの個人情報が相次いだ。
2005年後半は証券取引所のシステム障害が立て続けに発生した。11位の「 【特報】東証で大規模システムダウン、プログラム改変が原因」は、単純なプログラムミスが取引所の売買を半日止める怖さを伝えた。東証は後日、開発を委託していた富士通との連絡ミスが原因と発表した（「東証ダウン、原因は東証と富士通の連絡ミス」55位）。東証をめぐっては、誤発注をしたみずほ証券が東証のシステム障害で注文を取り消すことができなかったことも判明。相次ぐシステム障害を受けて東証社長は辞任した。また、ジャスダック証券取引所でも8月末にプログラムミスによるシステム障害が発生した（「【特報】ジャスダックが障害でダウン、『単純ミス』と幹部が説明」26位）。ジャスダックは「原因は単純なミス。深刻に受け止めている」と謝罪した。
2006年は企業に内部統制の整備を求める「日本版SOX法」の年になりそうだ。6位には日本版SOX法の概要と、企業の対応策を解説した「企業に大激震？ 日本版SOX法がやってくる」が入った。すでに一部の企業は対応に動き出している。関連する製品を扱うベンダやコンサルティングファームの動きも活発になるだろう。
[関連リンク]
＠IT NewsInsight
[関連記事]
ニュースランキングで総まとめ、2004年のIT業界 （＠ITNews）
情報をお寄せください：
最新記事
 |
|
|
|
|
