「身売り、社名変更はない」、ライブドア新体制が会見

2006/1/25

 ライブドアの新経営陣は1月24日、堀江貴文容疑者が逮捕されてから初めて会見を開いた。新たに代表取締役に就任した熊谷史人氏は「ご心配をおかけしました。大変申し訳ありませんでした」と謝罪。「新しい体制でこのようなことが起こらないようにコンプライアンスを強化したい」と述べた。

 熊谷氏はライブドアが捜査を受けていることに対して「疑わしいところはあったとの認識」とコメントした。自身の関与については「事件にかかわっていないことをきっぱりと否定したいのはやまやまだが、捜査中で、捜査に最大限協力するのがわれわれの任務。現時点ではコメントを控えたい」と述べ、詳細な説明はなかった。

 ただ、株式の100分割などの手法が悪用されたのではないかとの指摘に対しては、熊谷氏は「分割自体はまったく問題はなかった」と合法性を強調。身売りのうわさが出ていることについては「会社の身売りは考えていない。資金繰りも安定しており、これからよりよいライブドアを作っていきたい」とした。社名変更も「考えていない」と述べ、否定した。

代表取締役に就任した熊谷史人氏(左)と執行役員社長の平松庚三氏。平松氏は社長就任について「時期が時期だけに大きなチャレンジと認識している」とコメントした

 新体制では、執行役員社長に就任した平松庚三氏が業務の執行を担当。熊谷氏が執行役員の業務の監督を行う。熊谷氏は平松氏を起用した理由について「ライブドアのグループの一員として(ソフト会社の)弥生を成長させてきた。さらに社会的な経験があり、皆様の気持ちを理解できる。経営のプロフェッショナルであり、適任と判断した」と説明した。平松氏は「いままでのライブドアは堀江がピッチャー兼4番バッター。代表取締役と業務の執行を兼務していた。そこにも問題があったのかもしれない」と述べ、代表取締役と執行役員社長を分けたことに対して理解を求めた。

 また、子会社の社長としてライブドアの当時の執行役員を見た感想として平松氏は「こういうことが起きたのはコンプライアンスの認識の深さが十分ではなかったから。新体制ではまずルールを徹底し、ルールを守り、ルールの中での成長に主眼を置きたい」とした。

 平松氏は「新体制の具体的な目標の数字を出すのはもう少し時間をもらいたい。新しいチームで会社の成長を加速させるのが私の役割。しかし、プライオリティはコンプライアンスとコーポレートガバナンスにある。それを遵守したうえでの成長となる」と法令遵守を強調。熊谷氏も「株主価値の最大化を図ってもらいたいが、ルールの範囲内の成長と認識している」と述べた。

 ライブドア新体制の会見は「広告のキャンセルが出ている」(平松氏)中で、「この下落傾向を抑えて、元のオペレーションに戻すのが最大の狙い」だという。ただ、捜査機関などから指摘されているライブドアの法令違反についての説明は皆無で、疑惑の払拭(ふっしょく)にはほど遠い。平松氏は「大変優秀な人材や商品、サービスが残っている。崩れかけているチームを立て直すためにいまの逆風を新しい形に持っていければ」と新生ライブドアを訴えた。

(@IT 垣内郁栄)

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ライブドアの発表資料(PDF)

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